再来店率が高いのに、なぜ顧客は定着しないのか─“選ばれ直す力”という視点【経営プログレッションVol.38】 | ソング中小企業診断士事務所

再来店率が高いのに、なぜ顧客は定着しないのか─“選ばれ直す力”という視点【経営プログレッションVol.38】

再来店率が高いのに、なぜ顧客は定着しないのか─“選ばれ直す力”という視点【経営プログレッションVol.38】

4つの体系で読む、井村の経営思想と実践
記事・ツール・コラム・思想─すべては一つの設計思想から生まれています。
現場・構造・感性・仕組み。4つの視点で「経営を届ける」全体像を体系化しました。

実践・口

経営相談の窓口から
失敗事例の切り口から
会計数値の糸口から

現場の声を起点に、課題の本質を捉える入口。
今日から動ける“実務の手がかり”を届けます。

時事・構造

診断ノート
経営プログレッション
 

経営を形づくる構造と背景を読み解きます。
次の一手につながる視点を育てる連載です。

思想・感性

日常発見の窓口から
迎える経営論
響く経営論

見えない価値や関係性の温度に光を当てます。
感性と論理が交差する“気づきの場”です。

実装・仕組み

わかるシート
つなぐシート
みえるシート

現場で“動く形”に落とし込むための仕組み群。
理解・共有・対話を支える3つの現場シートです。

  1. 再来店率より大事な指標──“選ばれ直す力”とは何か
  2. 失敗ケース(A社)|再来店率だけを追い続けた会社
    1. ■ 施策は早い。数字も動く。
    2. ■ しかし、現場で静かに起きた“別の変化”
      1. 1)利益率が下がる
      2. 2)ロイヤル顧客が育たない
      3. 3)施策を止めると戻らない
    3. ■ 現場で生まれた“歪み”
    4. ■ A社の状態はこう整理できます
  3. 成功ケース(B社)|“選ばれ直す力”を設計した会社
    1. ■ 再来店率を「追う指標」から「結果指標」へ
    2. ■ 本当に見るべきものを変えた
    3. ■ 接点・提案・記憶の残り方を再設計
    4. ■ 割引に頼らない“戻り方”が増える
    5. ■ B社が設計したもの
  4. 顧客の物語|「また行く」ではなく「ここを選んだ」
    1. ■ 選択肢はいくつもあった
    2. ■ それでも、B社が浮かんだ理由
    3. ■ 期待が更新されていた
    4. ■ 「自分向け」だと感じた瞬間
    5. ■ 再来と、選ばれ直しの違い
  5. 比較と学び|再来店率と“選ばれ直す力”の決定的違い
    1. ■ 構造比較|同じ「再来」でも、見ている次元が違う
    2. ■ 再来店率が示すものの限界
    3. ■ B社が見ていたのは「選択の瞬間」
    4. ■ つなぐシート(選ばれ直し版)|「行動」ではなく「選択の理由」を蓄積する
      1. ▼ シート項目(最小形)
      2. ▼ 選択肢例(運用を止めない最小)
      3. ▼ 記入イメージ(1行=1件の“選ばれ直し”素材)
    5. ■ A社とB社の“問い”の違い
    6. ■ 学び
  6. 中堅・大企業への展開視点|KPIが関係性を壊すとき
    1. ■ 再購買率・継続率至上主義の罠
    2. ■ KPI最適化が生む“関係の浅さ”
    3. ■ 「選ばれ直し」はKPIでは測れない
    4. ■ 数字の前に扱うべきもの
    5. ■ 中堅・大企業に必要な視点転換
  7. まとめ+読者への問い
    1. 問い

再来店率より大事な指標──“選ばれ直す力”とは何か

「再来店率を上げましょう」
多くの現場で、当たり前のように使われる言葉です。

確かに、
一度きりで終わるより、
もう一度来てもらえた方がいい。

だから、

  • 再来店率
  • リピート率
  • 継続率

こうした数字をKPIに設定する企業は少なくありません。

しかし、
数字を追えば追うほど、
こんな違和感が生まれていないでしょうか。

クーポンを出すと戻る
通知を送ると来る
施策を止めると来なくなる

「数字は動くけれど、手応えがない」

そんな感覚です。

それもそのはずです。

多くの再来店は、
「選ばれた」のではなく「促された」結果だからです。

割引があったから。
通知が来たから。
ポイントが貯まるから。

その行動は、
“再来”ではあっても、
“選ばれ直し”とは違います。

本当に強い関係性とは、

  • 思い出された
  • 比較された
  • その上で選ばれた

このプロセスを経ています。

つまり重要なのは、

👉 「また来たか」ではなく
👉 「なぜ、もう一度選ばれたのか」

再来店率は結果です。
しかし、

“選ばれ直す力”は、
構造です。

この記事では、

  • 再来店率だけを追って行き詰まった会社
  • 選ばれ直す力を設計した会社

を比較しながら、

数字の裏にある
「選択の理由」をどう扱うかを整理していきます。

この記事を読むことで得られること

  • 再来店率・リピート率を追っても手応えが残らない理由を、「促された再来」と「選ばれ直し」の違いから整理できます
  • 割引や通知に頼らず、比較された上で選ばれるために必要な“選ばれ直す力”の構造(想起・意味・記憶)を掴めます
  • A社(再来店率至上)とB社(選択理由の設計)を比較しながら、現場で「選ばれた理由」を蓄積し活かす具体の視点が得られます

まず結論:再来店率は追いかける目標ではなく結果であり、持続的に定着させる鍵は「なぜ、もう一度選ばれたのか」を現場で扱える形にして“選ばれ直す力”を設計することです。

失敗ケース(A社)|再来店率だけを追い続けた会社

A社は、郊外型のショッピングモールに入っている中規模の美容サロン(ヘア・ネイル併設)です。
スタッフは10名弱。新規はホットペッパーなどの予約サイトとSNS広告で一定数入ってきますが、課題はいつも同じでした。

「2回目が続かない」
「来店間隔が伸びる」
「気づくとフェードアウトしている」

そこでA社が掲げたKPIが、再来店率と来店間隔です。

  • 30日以内再来率
  • 60日以内再来率
  • 来店間隔の平均(前回から何日空いたか)
  • 失注(90日以上来店なし)率

数字が見えるようになったことで、会議は一気に“経営っぽく”なりました。
店長はこう言います。

「まずは30日以内再来を伸ばせば、売上は安定します」

■ 施策は早い。数字も動く。

A社は、再来店率を上げるために打ち手を次々に投入しました。

  • 2回目限定クーポン(◯%OFF/トリートメント無料)
  • ポイント2倍デー(来店間隔短縮を狙う)
  • 予約リマインドLINE(◯日経過で自動送信)
  • 次回予約の強い推奨(会計時に「次も同じ枠で押さえますね」)

すると、数字は確かに改善します。

  • 30日以内再来率:上昇
  • 来店間隔:短縮
  • 月次売上:一時的に持ち直し

会議では拍手が起き、施策は「成功」と判定されました。

■ しかし、現場で静かに起きた“別の変化”

ところが数ヶ月が経つと、別の異変が出始めます。

1)利益率が下がる

売上は維持できても、粗利が残らない。
クーポンが当たり前になり、客単価がじわじわ下がっていきます。

  • 「2回目割引」が“標準”になってしまう
  • トリートメント無料が常態化する
  • 値引き前提の客層が増える

結果、忙しいのに利益が薄い状態になります。

2)ロイヤル顧客が育たない

再来店は増えたのに、指名や高付加価値メニューが伸びません。

なぜなら、お客様が戻ってきている理由が

「ここが好きだから」ではなく
「得だから」「来るように言われたから」

に寄っているからです。
つまり“関係性”が積み上がっていない

3)施策を止めると戻らない

これが決定打でした。

「今月は利益を残すためにクーポンを抑えよう」
そう判断した月、再来が急に落ちます。

  • リマインドを止めると失注が増える
  • ポイント施策をやめると来店間隔が伸びる
  • 値引きをやめると2回目が消える

A社は気づきます。

「戻ってきていたのは、私たちが“押していた”からだ」

■ 現場で生まれた“歪み”

ここからが本当の問題です。

再来店率を追うほど、現場の言動が変わっていきました。

  • 接客中も「次回予約」の話が最優先
  • お客様の悩みより「クーポン案内」が先
  • スタッフ同士の会話が「数字」中心になる
  • “選ばれる理由”ではなく“戻す手段”に頭が向く

すると、お客様の側でも微妙な変化が起きます。

「悪くはない。でも…」
「次は別でもいいかな」
「クーポン来たら行く」

A社のサービスが嫌われたわけではありません。
ただ、“選ばれ直す理由”が育たなかったのです。

■ A社の状態はこう整理できます

A社は、再来店率という“結果”だけを押し上げました。
でも、その裏側にある

  • なぜ選ぶのか
  • 何が決め手なのか
  • どんな期待があるのか

この部分を扱っていませんでした。

だから、

👉 再来はしているが
👉 “選ばれてはいない”状態

になったのです。

数字は動く。
けれど関係性は積み上がらない。

そして施策を止めた瞬間に、
“関係の薄さ”が露呈します。

成功ケース(B社)|“選ばれ直す力”を設計した会社

B社もA社と同じく、
郊外型の中規模美容サロンです。
スタッフ数、客単価、集客チャネルもほぼ同じ。
立地条件も大きな差はありません。

違いがあるとすれば、
B社はある時点で、
再来店率の見方を変えたことでした。

■ 再来店率を「追う指標」から「結果指標」へ

B社も、かつてはA社と同じ悩みを抱えていました。

  • 2回目が続かない
  • 来店間隔が伸びる
  • 数字を追うほど現場が疲れる

その中で、B社の経営者はこう問い直します。

「再来店率って、“やること”なのか?
 それとも“起きること”なのか?」

この問いをきっかけに、
B社は再来店率を
KPIの最上位から外しました。

再来店率は、

👉 追いかける目標
ではなく
👉 関係性の結果として現れる数字

と位置づけ直したのです。

■ 本当に見るべきものを変えた

B社が現場で見るようになったのは、
来店回数ではありません。

代わりに、こんな問いを立てました。

  • なぜ今回、B社を選んだのか
  • 他の店と迷わなかった理由は何か
  • どの瞬間が記憶に残ったのか

つまり、

「行動」ではなく「選択の理由」
を扱い始めたのです。

カウンセリングや会話の中で、

  • 「実は前回の〇〇が良くて」
  • 「ここは安心感がある」
  • 「前に言ったこと覚えてくれてて」

そんな言葉を、
価値ある情報として拾うようになりました。

■ 接点・提案・記憶の残り方を再設計

B社が見直したのは、
施策そのものではなく、接点の意味でした。

  • 次回予約を“押す”のではなく「次はどうなっていたら嬉しいですか?」と聞く
  • メニュー提案を価格やキャンペーン軸ではなく「前回からの変化」軸で組み立てる
  • 来店後フォローを定型メッセージではなく“一言の記憶”を添える

すると、顧客の反応が変わってきます。

「ちゃんと見てもらえている」
「ここは自分のことを覚えている」

この感覚が、
“また選ぶ理由”
になっていきました。

■ 割引に頼らない“戻り方”が増える

B社で増えた再来は、
クーポン経由ではありません。

  • スタッフ指名で戻る
  • 家族・友人の紹介で来る
  • 思い出して自分から予約する

つまり、

👉 「得だから戻る」
ではなく
👉 「ここがいいから選ぶ」

という戻り方です。

再来店率は、
結果として安定しました。

しかしそれ以上に、

  • 値引き耐性が下がる
  • 単価が安定する
  • 紹介が増える
  • スタッフのやりがいが上がる

といった変化が生まれます。

■ B社が設計したもの

B社が設計したのは、
施策ではありません。

“選ばれ直す力”です。

  • なぜ思い出されるのか
  • なぜ迷わず選ばれるのか
  • なぜ人に勧められるのか

この理由を、
現場で扱える形に落とし込んだ。

その結果として、
再来店率がついてきました。

顧客の物語|「また行く」ではなく「ここを選んだ」

語り手は、B社を利用している30代女性の顧客です。
毎月必ず通うほどではありません。
忙しさや生活の変化で、
数ヶ月空くこともあります。

ある日、
久しぶりに美容室へ行こうと思いました。

■ 選択肢はいくつもあった

スマホを開くと、
候補はいくつも出てきます。

  • 近所に新しくできた店
  • 以前クーポンで行った店
  • 友人が勧めていた店

値段も、距離も、
正直そこまで大きな差はありません。

「どこでもいいと言えば、どこでもいい」
そんな状況でした。

■ それでも、B社が浮かんだ理由

そのとき、
ふとB社のことを思い出しました。

理由ははっきりしていません。

  • 前回、髪の悩みをちゃんと聞いてくれた
  • 季節が変わる話をしていた
  • 「次はこうなるかも」と言われた

そうした断片が、
自然に浮かんできました。

クーポンが届いたわけでもありません。
リマインド通知が来たわけでもありません。

“思い出された”
それだけでした。

■ 期待が更新されていた

B社を思い出したとき、
頭に浮かんだのは過去ではなく、
次の自分でした。

「今の生活だと、
 このくらいの手入れが楽かも」

「前に言ってたこの時期、
 たしか対策が必要って言ってたな」

それは、

「また行こう」
ではなく、
「ここを選ぼう」

という感覚です。

■ 「自分向け」だと感じた瞬間

予約画面を開いたとき、
少し安心しました。

「ここなら話が早い」
「説明しなくていい」

B社は、
“万人向けのサービス”ではなく、
「自分向けの場所」
として記憶されていたのです。

結果として、
迷いはほとんどありませんでした。

■ 再来と、選ばれ直しの違い

この顧客にとって、

再来は → 行動
選ばれ直しは → 意思

です。

割引に動かされたのではありません。
通知に押されたわけでもありません。

「ここがいい」
そう思って、選んだ。

この違いが、
B社とA社を分けていました。

比較と学び|再来店率と“選ばれ直す力”の決定的違い

― 行動を追うか、意思を捉えるか ―

A社とB社の違いは、
「KPIの設定」ではありません。

“顧客をどう見ているか”
その前提が、決定的に違っていました。

■ 構造比較|同じ「再来」でも、見ている次元が違う

観点 A社 B社
指標 再来店率 選ばれ直し
見ているもの 行動結果 選択理由
施策 割引・通知・回数促進 想起・意味・記憶
顧客理解 来た/来ない なぜ選んだか
関係性 受動(反応待ち) 主体(意思)

A社は、
「来た」という結果を見ていました。

B社は、
「なぜ選んだか」という理由を見ていました。

■ 再来店率が示すものの限界

再来店率は、
確かに分かりやすい指標です。

しかし、それが示すのは、

  • 割引が効いた
  • 通知に反応した
  • 近かった
  • たまたま空いていた

といった条件反射的な行動です。

つまり、

再来している=選ばれている
とは限りません。

A社は、
このズレに気づかないまま、
施策を積み重ねていました。

■ B社が見ていたのは「選択の瞬間」

B社が注目したのは、
顧客が選択肢を比較した“その瞬間”です。

  • 他にどんな候補があったのか
  • なぜ今回は迷わなかったのか
  • 何が思い出されたのか

ここにこそ、
「次も選ばれるかどうか」のヒントがあります。

■ つなぐシート(選ばれ直し版)|「行動」ではなく「選択の理由」を蓄積する

B社がやったのは、再来店の回数を増やすことではありません。
「なぜ、もう一度選ばれたのか」を現場で扱える形にして、意思と判断基準を蓄積したことです。

重要なのは正解かどうかではなく、“どう見えたか”を仮説として残すこと。
仮説が溜まるほど、提案・会話・フォローが「押す」から「思い出される設計」へ変わります。

▼ シート項目(最小形)

A列 B列 C列 D列 E列 F列
項目 来店日 来訪理由(選択) 比較対象(候補) 決め手の一言・体験(原文) 思い出された要素(想起トリガー) 次回の設計(接点・提案)
入力形式 日付 選択+記述 記述 短文(できれば原文) 選択+短文 短文
意図 時系列で追う 「促し」か「意思」かを見分ける “比較された現実”を把握する 選ばれ直しの核を残す 記憶に残る要素を特定する 押さずに思い出される形へ

▼ 選択肢例(運用を止めない最小)

来訪理由(例) 想起トリガー(例)
初回/再訪/紹介/同行 前回の提案/会話/安心感/変化実感/季節の先回り

▼ 記入イメージ(1行=1件の“選ばれ直し”素材)

A列 B列 C列 D列 E列 F列
1/18 再訪(自発) 近隣新店/以前クーポン店 「説明しなくていいのが楽」 前回の悩みを覚えていた 次回は“季節の変化”から提案、来店後フォローに一言を添える

ポイント:
再来店率は「結果」です。
つなぐシートは、その手前にある「選択の理由」を共有資産に変える装置です。

重要なのは、
正解かどうかではありません。

「どう見えたか」を仮説として残すことです。

■ A社とB社の“問い”の違い

A社の問いは、こうでした。

なぜ来なかったのか?

B社の問いは、こうでした。

なぜ選ばれたのか?

この問いの違いが、
施策・会話・記憶の設計すべてを変えました。

■ 学び

  • 再来店率は「行動」を示す
  • 選ばれ直しは「意思」を示す
  • 行動は操作できる
  • 意思は、設計でしか育たない

👉 「来なかった理由」ではなく
👉 「選ばれた理由」を蓄積する

ここから、
割引に頼らない関係性が生まれます。

中堅・大企業への展開視点|KPIが関係性を壊すとき

中堅・大企業ほど、
再購買率・継続率・解約率といったKPIを
精緻に、真面目に、正しく追っています。

にもかかわらず、

  • ブランドロイヤルティは上がらない
  • 指名・推奨は増えない
  • 価格競争から抜け出せない

という矛盾を抱え続けているケースは少なくありません。

■ 再購買率・継続率至上主義の罠

KPIが強くなるほど、
現場ではこんな発想が生まれます。

  • 「とにかく離脱を止めよう」
  • 「続けさせる仕掛けを増やそう」
  • 「辞めづらくする設計を入れよう」

結果として起きるのは、

  • 割引・特典の常態化
  • リマインドの過剰化
  • 契約・制度の複雑化

数字は一時的に改善します。
しかしその裏で、関係性は浅くなっていく。

■ KPI最適化が生む“関係の浅さ”

KPIは「結果」を示します。
しかし、結果だけを最適化すると、理由が失われる。

  • なぜ選ばれたのか
  • なぜ他ではなく自社だったのか
  • なぜ続けたいと思ったのか

これらが語られないまま、

継続している=評価されている
という錯覚が生まれます。

しかし実際には、

  • なんとなく
  • 変えるのが面倒で
  • 他を探す余裕がなくて

続いているだけ、というケースも多い。

これは関係が強い状態ではありません。

■ 「選ばれ直し」はKPIでは測れない

選ばれ直しとは、

  • ブランドとしてどう見られているか
  • 人としてどう記憶されているか
  • どんな意味を提供しているか

という、総合評価です。

それは、

  • 数値の単点
  • ダッシュボードの一行

では捉えられません。

選ばれ直しは、
顧客の頭の中で起きる“再評価”だからです。

■ 数字の前に扱うべきもの

B社型の組織が先に扱っていたのは、KPIではありません。

  • どんな場面で思い出されているか
  • 何と比較されたうえで選ばれたか
  • そのとき、何が決め手になったか

つまり、選択の文脈です。

この文脈が見えれば、

  • KPIは「目的」ではなく「結果」に戻る
  • 数字が関係性を壊さなくなる
  • 改善が割引依存にならない

■ 中堅・大企業に必要な視点転換

👉 KPIを疑うのではない
👉 KPI“だけ”を信じない

数字を追う前に、

  • 選ばれた理由は何か
  • 続いている本当の理由は何か

を扱える組織になること。

関係性は、数値で壊れ、文脈で回復する。

これが、
「選ばれ直される企業」への分岐点です。

まとめ+読者への問い

再来店は、結果です。
数字として観測できる「行動」です。

一方で、
選ばれ直しは、理由です。
顧客の頭の中で起きている「評価」と「意思」です。

強いのは、

👉 割引で戻ってくる店
👉 ではありません

👉 思い出され
👉 比較され
👉 それでも選ばれる存在

です。

再来店率が高くても、
「なぜ選ばれたのか」を誰も説明できない組織は、
関係性を積み上げているようで、実は消耗しています。

逆に、

  • 思い出された理由
  • 比較の中で残った価値
  • 「やっぱりここだ」と思われた瞬間

これらを言葉で共有できる組織は、
割引に頼らず、KPIに振り回されず、
静かに強くなっていきます。

問い

あなたの顧客は、
なぜ、あなたを選び直したのでしょうか?

それを、
数字ではなく、
言葉で説明できますか?

もし説明できないとしたら、
改善すべきは施策ではなく、
「選ばれる理由」を扱えていない構造そのものかもしれません。

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