中小企業診断士を志した理由 | ソング中小企業診断士事務所

中小企業診断士を志した理由

中小企業診断士を目指した理由

私がなぜ中小企業診断士になりたいと考えるようになったのか、その理由をお話させてください。

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過去の経験

私は2008年より音楽制作事業を立ち上げ、現在も継続しています。独立する前の9年間は会社員として、神奈川県内の製造業に勤めました。大学を卒業して、初めて就職した会社でしたし、希望した部署に配属していただけたこともあり、私なりにできるだけ頑張りたい、少しでも早く仕事を覚えて認められたいという思いでいました。

でもそのうちに、会社での人間関係に悩むようになったんです。

理由もなく怒鳴られるんじゃないかとか、理不尽に怒られるんじゃないかとか、嫌われているんじゃないかとか、そんなことばかり考えて過ごしていました。仕事そのものよりも、何倍も人間関係で悩んでいました。

会社にいるだけなのに、常に理由のない不安感を感じていたんですね。周りの人を気にしてばかりで常に緊張しているような毎日でした。

そうなったきっかけは、自分のそれまでの過去にあるんだと思います。
私は中学時代にいじめにあいました。何人かの同学年の生徒から目をつけられて毎日のように暴力を受けていました。その影響もあって高校ではクラスになじめず、1年生の時に学校に行けなくなって、不登校になりました。退学寸前まで行ったのですがなんとか思いとどまって、一旦は落ち着いて大学にも進学できたのですけれど、積み重なった経験からいつしか人に対して心を閉ざしがちになり、折角の大学生活も半分引きこもりのような状態でした。

そのような状態のまま、社会人になった私にとって、会社という組織の中でうまくやっていくことが、とても難しいことだったんだと思います。

独立した経緯

そんな自分が独立して音楽制作事業を立ち上げたのは、自分にできることは音楽しかない、と考えたからでした。なんの実績もツテもなかったけど、とにかく生きることに必死だったんだと思います。しかもその頃は息子がまだ生まれたばかりで、ただでさえこれからの生活に不安を抱えている時期でした。

そんな無謀とも言えるチャレンジを決断するくらいに追い詰められるほど、会社員として生きていくことに悩んでばかりで、全然役に立っている気がしない、むしろ迷惑ばかりかけているような思いでしたし、これから先ずっとこの環境でやっていくことができるのか、毎日毎日そんなことばかり考えていて、せめてあと1年、1カ月、1週間、と何とかやってきたけれども、もうこれ以上は無理かもしれないと思ったんです。

それで退職したのが2008年の3月でした。

人とのつながりから感じた喜び

その後開業して、やっぱり独立して事業を経営していくというのはいろいろなことがあって大変でしたけれども、今思えばもう16年も事業を続けることができました。

音楽制作の事業名はソングメーカーというんですが、実はそちらでもここで書いているようなことを、創業当初から私の紹介ページや動画で伝えているのですが、ご依頼いただいたお客様の中に、そういったプロフィールや思いを見てくださって、共感してくださったという方が何人もいらっしゃったんですね。

全く予期していないことで、それは私にとってはもう、言葉にできないほどの嬉しいことでした。会社員時代、悩んでいたことを会社の誰にも相談できなくて、ただ辛い日々を送っていた自分にとって、こんな自分でもいいんだと思えたというか、社会に受け入れてもらえたような気持ちでした。本当に嬉しかったです。

こういう経験をしてきたからこそ、伝えられることがあると思ったんです。

人との関係性で辛い思いをしてきた自分にとっては、誰かが自分を認めて受け入れてくれるということが本当に幸せなことでした。

お客様は自分のことを信頼してくれて、認めてくれたからこそご依頼を頂けたのだと思います。だからこそ私もそのお客様の想いに応えたいと強く思いましたし、そんな信頼関係を多くの方と築くことができたのも、事業を続けてくる中で得られたとても貴重で幸せな経験でした。

働くことに対して悩みを抱える人たちの力になりたい

特に強く思うこととして、会社員だったころ、自分の悩みを上司とか先輩とか、会社の誰にも相談できなかったんですが、もしそれができていれば何か違っていたんじゃないかなと思うんです。

できる人もいるもしれませんが、自分にはどうしてもできませんでした。

それでますます孤独感を募らせて悩みを大きくしていくことになってしまったんですが、そうやって悩みを相談できることで、お互いに心を開いてコミュニケーションを取るきっかけになると思いますし、気軽に話せる場があることで、本当に心が軽くなるんだと思います。

以前の私がそうだったように、仕事が辛い、会社に行きたくないと思っている人は日本中にとても多くいらっしゃると思いますが、一方で私がそうだったようにそれでも何とか自分が役に立ちたい、力を発揮したいと考えている人も多いと思うんです。

また、必ずしも人間関係だけではなく、仕事そのものに対する悩みや、性別や学歴、雇用形態等による不公平感など、仕事に対する悩みは人それぞれだと思います。

そういう人たちがかつての私のようにただ悩みを募らせて、本来の力を発揮できないでいる、いつかは会社を辞めてしまう、といった結果につながることもあるでしょうし、それは会社にとっても、日本経済全体にとっても、もちろん本人にとっても、大きな損失ですし悲しいことです。

経験を糧に中小企業診断士として伝えていきたいこと

そういった経験から、中小企業診断士として何か伝えられることがあると考えました。

かつての私のように辛い経験をしている人が、少しでも会社に居場所を作れて、働きやすい環境にできれば、それは間違いなく会社にとってプラスです。何よりも本人にとって幸せなことです。

本来持っている力を発揮できる、会社をやめようと思っていた人が思いとどまる、前向きに仕事に取り組めるようになる。そんな未来が増えていけば素晴らしいと思うんです。

また本人だけでなく、上司や経営者の側からも思いを伝えて悩みを共有できる、そんな職場にできれば、その会社はそれまでとは比べ物にならないほど強い絆で結ばれた、強固な組織になるのではないかと思います。それは、一人ひとりの仕事への負担が大きい中小企業であればなおさらです。

会社員時代には人間関係でとても悩んだけれど、独立してからは人間関係に支えられて信頼を築いてこれたことにとても救われ、立ち直ることができた自分の経験を通じて、やっぱり社会活動の中心となるのはいつも人間関係なんだということを、中小企業診断士としてもこれから誠意をもってお伝えしていければと考えています。

人間関係が円滑になれば辛い思いをしている人が少なくなって、会社の業績にも良い影響を与える、社会全体に笑顔の人が増える。経営コンサルティングを通じてそんな好循環を生み出すお手伝いができれば嬉しいと考えています。

ビジネスにおいて最も難しいのは、人を使うことだと言います。また最近は、中小企業においても人的資本経営が求められるようになっており、働く人が自分の力を発揮できるような職場づくりのお手伝いができればと思います。

以上が私が中小企業診断士になりたいと思った理由です。これから中小企業診断士として、企業の中心となる働く人の幸せを増やせるような活動をしていけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。