中小企業診断士について | ソング中小企業診断士事務所

中小企業診断士について

中小企業診断士とは

中小企業診断士についてご説明いたします。

中小企業診断士とは

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。

中小企業診断士制度は、中小企業者が適切な経営の診断及び経営に関する助言を受けるに当たり、経営の診断及び経営に関する助言を行う者の選定を容易にするため、経済産業大臣が一定のレベル以上の能力を持った者を登録するための制度です。

中小企業基本法では、中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者(公的支援事業に限らず、民間で活躍する経営コンサルタント)として位置づけられています。

ですから中小企業診断士は、経営コンサルティングに関する国家資格ということになり、これは他の資格にはない唯一のものです。

(一部、一般社団法人中小企業診断協会ホームページ より抜粋)

https://www.j-smeca.jp/contents/002_c_shindanshiseido/001_what_shindanshi.html

求められること

企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスが主な業務ですが、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、また専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動が求められています。
中小企業庁ホームページより抜粋)

中小企業診断士とは | 中小企業庁

中小企業診断士試験の概要

1次試験:以下7科目の筆記

  • 経済学・経済政策
  • 財務・会計
  • 企業経営理論
  • 運営管理(オペレーション・マネジメント)
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営・中小企業政策

2次試験:中小企業の診断及び助言に関する実務の以下事例について筆記および口述

  • 組織・人事
  • マーケティング
  • 生産
  • 財務

上記を合格したのち、15日間以上の実務補習または実務従事を経て、中小企業診断士登録が可能となります。

大企業や個人事業は対象外?

「中小企業」診断士という名前から大企業や個人事業は対象外なのか?と思われるかもしれませんが、企業の規模によりコンサルティングができないということはありません。
ただ、日本における中小企業の割合は全企業数のうち99.7%を占めている(2016年の経済センサス活動調査より)ため、実質的に中小企業の支援が中小企業診断士に求められていると言えます。

また、法人でないといけないということもありませんので、個人事業の方でも対応させていただきます。

どのような形であれ、ビジネスの本質は同じであると考えております。是非、様々な事業規模・業態の方からのご依頼を頂きたいと考えております。

中小企業診断士試験の受験~中小企業診断士登録までの体験談

ここからは筆者である、井村淳也の感想・思いになります。合格者の多くが語るように、勉強から登録まで大変貴重な経験をさせていただきましたし、多くの学びをいただける機会でした。

1次試験

7科目ですが、私の場合は応用情報技術者を所持しており、経営情報システムが免除でした。それでも6科目あり、一般的に言われていることですが中小企業診断士試験は幅広い分野の勉強をすることになり、試験勉強も大変ではありましたが興味深く、楽しい時間でもありました。

人により得意・不得意が分かれるのですが、私の場合は独学だったこともあり、最新の法令情報を入手するのに苦労しました。

2次試験

絶対的な合格点が決められている1次試験と異なり、1次合格者同士の相対的な争い(例年上位20%弱が合格)となるため、一気にレベルが上がります。また2次試験は、国家資格では極めて珍しく正答が公開されていない試験でもあり、「何をどれだけ勉強すればいいのか」が分かりづらく、私も苦戦しました。中小企業診断士試験最大の壁が2次試験と言ってもいいと思います。それでも過去問に多く触れることで、2次試験の本質「なぜこの試験が診断士になるために必要か」が段々とわかってきました。

2次試験問題は実在する企業が事例として出題されていると言われます。それならば、現実の経営コンサルティングで中小企業診断士が行うべき「社長の思いに寄り添った、実現可能性を考慮した提案をすること」が一番大切なのではないかと考え、その方向性でインプット・アウトプットを重ねる勉強に力を入れました。

結果合格でき、2次試験で身についた考え方、経営コンサルタントとしての思考は、中小企業診断士となった今でも私のベースとなっているものだと感じています。

口述試験

約10分程度と短いものでしたが、恐らくは大先輩の中小企業診断士の先生との質疑応答で、緊張しながらも大変充実した時間でした。まだまだ未熟な私の話を真剣に聞いてくださり、大変感動しましたし、思わず熱をもって経営コンサルタントとしての思いを伝えらえたと思います。

実務補習

試験に合格後、まず実務補習を受講しました。実務補習とは、実際に企業に訪問し、中小企業診断士としての経営コンサルティングを行う場ですが、登録前の私たちは既にプロコンサルタントとして活躍されている先生に指導していただく形で、私達合格者が6名、同じ班のメンバーとして集いました。そこから5日間、と言っても間に約1週間の資料作成期間があるので実質2週間弱を、班員全員が同じ目的のもとに研鑽しました。

年齢も職業も様々な6名でしたが、大変多くの学び・経験を得た実務補習でした。特に私のような事業経営者はメンバーにはおらず、会社員として一線で活躍されている方ばかりで、私も大変刺激を頂きながらも、自分の至らないところを改めて感じ、今後に向けての課題を頂くことができました。その時感じたことは、下記ページで少し触れております。

音楽家としての事業経験
音楽家としての事業経験が役に立つと考える理由についてご説明します。私は2008年に音楽家として事業を立ち上げ、現在も継続中です。2024年時点で16年間、全国1,000名を超えるお客様から、1,200曲以上の制作依頼を頂いてきました。その経...

実務従事

実務従事は実務補習を自分が主体的に行う場で、より実戦に近い経験を積むことになります。音楽制作事業のお客様にお声がけさせていただき、ご快諾いただき実務従事の機会をいただくことができました。

実務補習の際は先生をはじめ、サポート役の先輩診断士の方、他のメンバー5人と共に計8名で活動を行いましたが、実務従事はすべて一人で行うこととなり、当然ですが厳しさ、難しさが段違いでした。

実務従事は人によっては簡易的なアドバイスを行う程度にとどめることもあるようですが、私の場合は実務補習同様、ヒアリングからはじまり事業全般を俯瞰したうえで問題点の洗い出し、課題抽出、具体的な改善提言までを行い報告書にまとめてご報告する、という一連の作業を行う形をとらせていただきました。そのため、実務補習以上に事前調査や資料作成、検証、報告等やるべきことが多く、大変ながらも非常に濃密な経験をさせていただきました。

現状のお客様の経営状況から鑑み、短期・中長期的に実現可能性の高いと思われる改善提言をさせていただき、特に財務面ではご自身で使っていただけるエクセルのシミュレーションツールも提供させていただいたのですが、社長も喜んでくださり、とても嬉しく感じました。

実務従事は中小企業診断士に登録する前の最後の仕事でもあります。「この先にはプロの経営コンサルタントとして活動する未来がある」という想いで、全身全霊を込めて臨んだ実務従事でした。大変貴重な経験をさせていただいたと感じております。

この場を借りて、改めて実務従事の機会を与えてくださった社長に感謝申し上げます。ありがとうございました。