
値下げで勝ったはずなのに、なぜ利益が消えるのか
ヤマト運輸(ヤマトホールディングス)が2024年4〜9月期に営業赤字へ転落した、というニュースがありました。要因として挙げられたのは、コスト負担の増加に加えて、実質的な値下げ要因(単価低下)です。
もちろんこれは“当時の上期”の話であり、その後も施策は進みます。ただ、直近の開示を見ても、赤字幅は改善しつつも損益が揺れやすいことが読み取れます。つまり、論点は「一時的な不調」ではなく、物流が抱える収益構造の難しさにあります。
物流は、売上が増えれば儲かる――そう見えがちです。けれど実態は逆で、取り扱いが増えるほど、現場の負荷・人件費・委託費・燃料・拠点運用が積み上がり、“薄利多売”がそのまま疲弊につながります。
ここに値下げが重なると、利益は一気に削れます。なぜなら、物流のコストは変動費だけではなく固定費の比率が高いからです。固定費(拠点・車両・人員設計)が重いまま単価が下がると、数量で取り返すほど現場が詰まり、逆に積載効率や生産性が落ちてしまう。「値下げ→量で回収」が成立しにくい業種なのです。
そして今、物流には「2024年問題(労働時間規制)」が重なりました。供給能力は増やしにくいのに、需要は波を打つ。人手不足で委託単価は上がり、教育コストも増える。ここで値下げをすると、企業は“仕組み”ではなく“現場の我慢”で帳尻を合わせ始めます。
結果として起きるのは、サービス品質の低下・遅配・クレーム増・離職、そしてさらなるコスト上昇です。値下げは短期の選択に見えて、実は長期の負債になりやすい。
この話は、物流会社だけの問題ではありません。中小企業でも同じことが起きます。
「値上げは怖い」「競合が安い」「顧客が離れそう」――そう感じて値下げをすると、利益が消え、現場が忙しくなり、改善の時間がなくなり、さらに値下げに依存する。構造が崩れる順番は驚くほど似ています。
本当に必要なのは、値上げ・値下げという結論ではなく、価格を支える“設計”を持てているかの点検です。
この記事が気になった方へ:深掘りはこちら(母艦記事)
物流コストの上昇局面で「値下げが効かない理由」を、固定費・変動費・単価・生産性の関係でさらに掘り下げています。
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このテーマを「相談」すると、何が変わるのか
相談すると得られること(メリット)
- 「値下げする/しない」の二択から抜け出せます。 単価・工数・品質・顧客層を分解し、どこを上げ、どこを絞るか整理できます。
- 物流コスト増を“自社の損益構造”に翻訳できます。 仕入・外注・配送・保管・返品対応など、利益を削るポイントが見えます。
- 値上げの“通し方”が現実的になります。 いきなり全体ではなく、条件・契約・サービス範囲の再設計で段階的に移せます。
- 「忙しいのに儲からない」原因が言語化されます。 量が悪いのではなく、量を受ける前提(設計)が崩れている可能性を点検できます。
こんな悩みに答えられます(“このレベルで相談してOK”の例)
- 原材料や外注費が上がったが、値上げできず利益が薄い。どこから整理すべき?
- 競合が安く、こちらも単価を下げがち。値下げ以外の打ち手は?
- 繁忙期だけ現場が崩れる。人を増やすべきか、受け方を変えるべきか迷っている
- 配送・保管・返品対応など、周辺コストが見えず「儲けの実感」がない
- 外注(3PL含む)を検討しているが、コストと品質の線引きが難しい
値下げは“意思決定”のようでいて、実際は設計不在のまま現場に負荷を移す行為になりがちです。
ここを一度、あなたの会社の現実に合わせて整理しませんか。
「経験談」ではなく「構造」で語る──専門誌にも採用された“利益防衛の視点”
物流や値付けの話は、精神論になりやすい領域です。
ですが本来は、「現場の現実」と「数字の構造」を接続し、判断の型に落とすことでしか改善できません。
経営専門誌『企業実務』(日本実業出版社)では、現場の実態と収益構造の接続という観点から、人件費高騰局面をどう乗り越えるかをテーマに寄稿しました。
この「経営の1ページ」は、その延長線上にある、より実務的で自由度の高い“思考の整理場”です。
値下げを止める前に、「値下げしなくて済む根拠」を手に入れる
値下げが効かないと分かっていても、止められない。
その背景にあるのは、「今の価格で本当に採算が合っているのか」を即答できないという不安です。
だから対策はシンプルで、順番を逆にします。
(1)限界ラインを数字で確定する →(2)お金の残り方を把握する →(3)全体の体力を診断する。
この3点が揃うと、値下げに頼らずに「どこを上げ、どこを絞り、どこを委託するか」が現実的になります。
そこで当事務所では、まず小さく現状を可視化し、判断の型を手に入れるためのお試しパッケージ(経営診断キット)をご用意しています。
このテーマに関連する「解決キット」
以下の診断メニューを活用することで、「値下げで利益が消える」状態を、数字の根拠から整理できます。
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① 損益分岐点算出キット(簡易版)
「この単価・この粗利で、固定費を賄えるのか」を確認します。値下げの前に、“下げてはいけないライン”が明確になります。 -
② キャッシュフロー計算書作成キット
利益が出ているのに資金が苦しい場合、原因は運転資金・回収条件・在庫・外注支払いなどに潜みます。「お金が残らない構造」を可視化します。 -
③ 経営診断(収益性・安全性)キット
“いまの体力”を俯瞰し、価格改定・外注化・サービス範囲の見直しをどの順で進めるべきか判断します。無理なテコ入れで崩れないための土台です。
【「お試し」でも、結論はぼかしません】
数字を読み解き、どこを変えれば「値下げしない経営」に戻れるか。次の一手が決まる形で整理してお返しします。
まずは「相談」から始めたい方は、以下の簡易フォームをご利用ください。
お試しパッケージの活用方法を含め、今の貴社に最適な「整理の仕方」をアドバイスいたします。
「値下げの議論」を、感覚ではなく“採算の言葉”に変えませんか
このページが刺さった方の多くは、すでに「このままだとまずい」と感じています。
問題は、その違和感が「値下げするしかない」という短絡に吸い込まれ、毎月が過ぎていくことです。
物流コスト・価格設計の悩みについて相談してみる
下のフォームは、「メールアドレス」と「一言」だけで送れます。
相談内容は、完成していなくて大丈夫です。たとえば、こんな一文で十分です。
- 「値上げしたいが怖い。どこから設計し直すべき?」
- 「外注費・物流費が上がって利益が消える。採算の見方を整理したい」
- 「忙しいのに儲からない。単価の問題か、受け方の問題か分からない」
物流コスト・価格設計の悩み専用フォーム
※営業電話はいたしません。まずは状況の整理からご一緒します。
※必要に応じて、次の一手(採算の見える化/値付けの分解/外注・3PLの線引き)をご提案します。

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