第30回|話し終えたあと、すぐ席を立たなかった─「沈黙が関係を整える」【日常発見の窓口から】 | ソング中小企業診断士事務所

第30回|話し終えたあと、すぐ席を立たなかった─「沈黙が関係を整える」【日常発見の窓口から】

第30回|話し終えたあと、すぐ席を立たなかった─「沈黙が関係を整える」【日常発見の窓口から】

動画で見る日常発見の窓口からの記事説明

※この動画は「日常発見の窓口から」全記事に共通して掲載しています。

中小企業診断士としての日常のひとコマから、経営者としての“感情”や“判断”に潜むクセを見つめるこのシリーズ。
今回は、話が終わったあと、すぐに席を立たなかった時間から、「沈黙」が持つ力について考えてみます。

4つの体系で読む、井村の経営思想と実践
記事・ツール・コラム・思想─すべては一つの設計思想から生まれています。
現場・構造・感性・仕組み。4つの視点で「経営を届ける」全体像を体系化しました。

実践・口

経営相談の窓口から
失敗事例の切り口から
会計数値の糸口から

現場の声を起点に、課題の本質を捉える入口。
今日から動ける“実務の手がかり”を届けます。

時事・構造

診断ノート
経営プログレッション
 

経営を形づくる構造と背景を読み解きます。
次の一手につながる視点を育てる連載です。

思想・感性

日常発見の窓口から
迎える経営論
響く経営論

見えない価値や関係性の温度に光を当てます。
感性と論理が交差する“気づきの場”です。

実装・仕組み

わかるシート
つなぐシート
みえるシート

現場で“動く形”に落とし込むための仕組み群。
理解・共有・対話を支える3つの現場シートです。

話は終わったのに、終わった気がしなかった

打ち合わせや会話が一段落し、
結論も共有され、話としては「終わり」の状態。

普通なら、
「では、今日はここまでで」
そんな言葉とともに席を立つ流れだったと思います。

けれどそのとき、
なぜか立ち上がるタイミングを逃しました。
お互いに資料を片づけながら、
少しだけ、言葉のない時間が流れます。

気まずい沈黙というほどではない。
でも、何かがまだ残っているような、
そんな感覚がありました。

沈黙の中に、言葉より正直なものがある

不思議なもので、
その数秒の沈黙の中で、
相手の表情や呼吸が、
さっきまでよりよく見えてきます。

話している最中は、
どうしても言葉に意識が向きます。
伝えること、理解することに集中している。

でも、話が終わったあとには、
言葉では隠れていたものが、
ふっと表に出てくることがあります。

安心しているのか。
少し引っかかっているのか。
あるいは、
何か言いそびれているのか。

沈黙は、
そうした感情をそのまま映し出す時間なのかもしれません。

急いで終わらせない、という配慮

経営の場面でも、
「結論が出たらすぐ次へ」という進め方はよくあります。

効率はいい。
無駄も少ない。
けれど、その分、
感情の整理が追いつかないこともあります。

決まったこと自体より、
「どういう気持ちで決まったのか」が置き去りになる。
その積み重ねが、
後から小さなズレを生むこともある。

だからこそ、
話し終えたあとに、
すぐ席を立たない時間には意味があるのだと思います。

急いで終わらせないことは、
相手への配慮であり、
関係を丁寧に扱う姿勢でもあります。

沈黙は、何もしていない時間ではない

結局、その沈黙のあと、
ぽつりと一言、
本音に近い言葉が交わされました。

それは、
会話の本筋ではないけれど、
関係にとってはとても大切な一言でした。

もし、すぐに席を立っていたら、
きっと出てこなかった言葉です。

沈黙は、
何も起きていない時間ではありません。
むしろ、
関係が深まる準備をしている時間なのだと思います。

話し終えたあと、すぐ席を立たなかったことは、
結果として、
一番大切なやり取りにつながっていました。

最後の問いかけ

あなたは最近、
会話の「終わり」を、急ぎすぎていませんか?

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