
動画で見る日常発見の窓口からの記事説明
※この動画は「日常発見の窓口から」全記事に共通して掲載しています。
中小企業診断士としての日常のひとコマから、経営者としての“感情”や“判断”に潜むクセを考えるこのシリーズ。
今回は、机の奥から出てきた一冊のノートをきっかけに、“継続”と“再開”のあり方について考えてみます。
止まった時間と、残された文字
久しぶりに整理をしていた夜、使いかけのノートが出てきました。
数年前に書いていたアイデアメモのようで、途中のページで筆が止まっています。
当時の文字を眺めていると、何かを考え、形にしようとしていた熱のようなものが、かすかに蘇ってきました。
「どうして途中でやめてしまったんだろう」と思う一方で、
今の自分がその続きを書こうとすることに、少しのためらいもありました。
──なぜなら、「やり直す」という言葉には、どこか“失敗を取り戻す”ような響きがあるからです。
「再開」ではなく「続きから始める」
ふと気づいたのは、ノートをもう一度開くという行為は、“やり直す”というより、“続きから始める”ということなのかもしれない、ということでした。
経営でも、何かの施策やプロジェクトが途中で止まってしまうことがあります。
忙しさや環境の変化の中で、「一度止まったものは終わり」と思ってしまいがちです。
けれど、それは“終わった”のではなく、ただ“一時停止している”だけなのかもしれません。
過去を否定するのではなく、その続きを自然に再び書き始める。
そのとき、人は「新しい始まり」ではなく、「続きの今」を生きているのだと思います。
時間は途切れない。人もまた、途切れない。
あらためてノートをめくりながら思ったのは、自分という存在も、事業も、ある瞬間で完結するものではないということです。
止まっていたように見える時間も、実は見えないところで積み重なっていた。
止まった経験、遠回りした期間も、「今ここから」の再開に確かな厚みを与えてくれる。
そう思うと、“続ける勇気”とは、途中で止まっていた自分を責めず、「ここからもう一度」と静かにノートを開く、その心の動きそのものなのだと思います。
最後の問いかけ
あなたにも、途中のままになっている“何か”はありますか?
もしあるなら、やり直すのではなく──続きから始めてみませんか。

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