第32回|うまく説明できなかった打ち合わせ ─「言葉にできなかった理由」【日常発見の窓口から】 | ソング中小企業診断士事務所

第32回|うまく説明できなかった打ち合わせ ─「言葉にできなかった理由」【日常発見の窓口から】

第32回|うまく説明できなかった打ち合わせ ─「言葉にできなかった理由」【日常発見の窓口から】

動画で見る日常発見の窓口からの記事説明

※この動画は「日常発見の窓口から」全記事に共通して掲載しています。

中小企業診断士としての日常のひとコマから、経営者としての“感情”や“判断”に潜むクセを見つめるこのシリーズ。
今回は、伝えたいことがあるのに、うまく説明できなかった打ち合わせから、「言語化」と思考の関係について考えてみます。

4つの体系で読む、井村の経営思想と実践
記事・ツール・コラム・思想─すべては一つの設計思想から生まれています。
現場・構造・感性・仕組み。4つの視点で「経営を届ける」全体像を体系化しました。

実践・口

経営相談の窓口から
失敗事例の切り口から
会計数値の糸口から

現場の声を起点に、課題の本質を捉える入口。
今日から動ける“実務の手がかり”を届けます。

時事・構造

診断ノート
経営プログレッション
 

経営を形づくる構造と背景を読み解きます。
次の一手につながる視点を育てる連載です。

思想・感性

日常発見の窓口から
迎える経営論
響く経営論

見えない価値や関係性の温度に光を当てます。
感性と論理が交差する“気づきの場”です。

実装・仕組み

わかるシート
つなぐシート
みえるシート

現場で“動く形”に落とし込むための仕組み群。
理解・共有・対話を支える3つの現場シートです。

言葉が出てこなかった瞬間

打ち合わせの中で、
ある質問を受けました。

答えは頭の中にあるはずなのに、
言葉として出てこない。
説明しようとすると、
途中で話がぼやけてしまう。

決して知らない内容ではありません。
むしろ、普段から考えているテーマでした。
それなのに、
うまく整理して伝えられなかった。

話しながら、
自分の言葉に違和感を覚えていました。

説明できないのは、理解していないからではない

その場では、
「説明が下手だった」と感じました。
でも後から振り返ると、
問題は話し方ではなかったように思います。

自分の中で、
まだ構造として整理しきれていなかった。
だから、
言葉にしたときに形が崩れてしまったのです。

経営でも同じです。
伝わらないとき、
つい表現方法の問題だと考えがちですが、
実際には思考の整理が追いついていないことが多い。

言葉は、
理解の結果として出てくるものなのだと、
あらためて感じました。

言語化できない時間も、必要な工程

うまく説明できなかったことは、
その場では少し悔しさが残ります。
けれど、その違和感が、
後の整理につながることもあります。

「あのとき、何が曖昧だったのか」
そう問い直すことで、
自分の考えの輪郭が見えてくる。

言語化できない時間は、
停滞ではなく、
思考が形になる前の工程なのだと思います。

経営の現場でも、
すぐに説明できないテーマほど、
本質に近いことがあります。
だからこそ、
その場で無理に整った言葉を出すより、
持ち帰って整理する方が、
結果として質の高い判断につながる。

言葉は、準備されたときに出てくる

打ち合わせのあと、
改めてノートに考えを書き出してみると、
さっきまで曖昧だった内容が、
少しずつ形になっていきました。

順序を入れ替え、
前提条件を書き出し、
関係する要素を並べてみる。
そうすることで、
伝えるべきポイントが見えてきます。

次に同じ質問を受けたときには、
きっと、
もう少し落ち着いて説明できるはずです。

言葉は、
準備されたときに出てくる。
そして、
言語化の過程そのものが、
自分の理解を深めてくれる。

うまく説明できなかった打ち合わせは、
そんな当たり前のことを、
静かに教えてくれました。

最後の問いかけ

あなたが最近、言葉にできなかったテーマは、
どんな形で整理されていますか?

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