
動画で見る日常発見の窓口からの記事説明
※この動画は「日常発見の窓口から」全記事に共通して掲載しています。
中小企業診断士としての日常のひとコマから、経営者としての“感情”や“判断”に潜むクセを考えるこのシリーズ。
今回は、駅の改札を出た先で見かけた、ドアを押さえて後ろの人を通しやすくしていた男性の姿です。
一瞬の行為ですが、その場の空気がやわらぎ、ちょっとした安心感が生まれていました。
経営の現場でも、こうした“さりげない気づかい”が信頼を育てる大きな要素になります。
朝の駅で見かけた小さな所作
通勤の朝、駅からビルへ続く通路の先にある重いドアを、前を歩いていた男性がさりげなく後ろの人のために押さえていました。
その人は目立つことをするわけでもなく、ただ自然な流れで手を添えていたのです。
後ろを通った人が軽く会釈し、周囲の空気がわずかにやわらいだように感じました。
ほんの数秒の出来事ですが、その場にいた人たちの心に小さな余白が生まれた気がします。
人の気持ちを整える“さりげなさ”
この光景を見て、私は経営の現場でも同じことが起きていると感じました。
スタッフや顧客とのやりとりの中で、特別な仕組みや制度ではなく、ごく小さな気づかいが人の気持ちを整えることがあります。
たとえば、忙しい時期でも部下の話を最後まで聞く。
取引先にほんの一言「お疲れさまでした」と声をかける。
そうした行為には直接的なコストも目に見える成果もありません。
しかし、その場の信頼や安心感をつくり出す効果はとても大きいのです。
経営で成果を決めるのは“空気感”かもしれない
経営は数字で語られがちですが、現場で本当に成果を左右するのは“空気感”です。
どんなに優れた戦略や制度を導入しても、日々の接点に温度がなければ、人は動きません。
ブランドや組織文化も同じです。
広告やロゴのデザインではなく、日常のふるまいに宿るものこそが、外から見た企業イメージをかたちづくります。
だからこそ、リーダーやスタッフ一人ひとりの小さな行為が、企業の顔になるのだと実感します。
経営者がつくる“温度のある現場”
コンサルティングの場でも、「どう仕組みをつくるか」と同じくらい、「どう空気をつくるか」を意識することがあります。
たとえば、会議の冒頭にほんの一言、メンバーの努力をねぎらうだけでも、その後の議論の雰囲気は変わります。
そうした温度の積み重ねが、現場の信頼をつくり、成果を支える土台になるのです。
朝の駅で見かけた男性のさりげない所作は、そのことを改めて思い出させてくれるものでした。
最後の問いかけ
あなたの職場や日常には、どんな“小さな気づかい”が安心感や信頼を育てているでしょうか?

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