
中小企業診断士としての日常のひとコマから、経営者としての“感情”や“判断”に潜むクセを見つめるこのシリーズ。
今回は、会話が終わったあと、帰り道でふと思い出した「言いそびれた一言」から、言葉とタイミングの関係について考えてみます。
会話は終わっているのに、頭の中では続いている
打ち合わせや会話を終えて、
その場では特に問題なく終わったはずなのに、
帰り道でふと、
「あれを言えばよかった」と思い出すことがあります。
その一言は、
とても長い説明ではなく、
ほんの短い言葉だったりします。
でも、そのときには出てこなかった。
話の流れの中で、
言うほどのことではないと思ったのかもしれませんし、
タイミングを逃したのかもしれません。
歩きながら思い出すその言葉は、
少しだけ胸の奥に残ります。
なぜ、その場では出てこなかったのか
不思議なのは、
後からははっきり思い出せるのに、
その場では浮かばなかったことです。
考えてみると、
その一言は、
少しだけ本音に近いものでした。
結論を変えるほどではない。
場の流れを壊すものでもない。
けれど、
自分の気持ちを少しだけ表す言葉。
だからこそ、
その場では無意識に、
控えてしまったのかもしれません。
言葉にならなかった理由は、
遠慮だったのか、
配慮だったのか、
あるいは自分自身の整理不足だったのか。
その答えははっきりしません。
言わなかった言葉が教えてくれるもの
経営の場面でも、
「言ったこと」より、
「言わなかったこと」に意味がある場合があります。
その言葉を飲み込んだ理由の中に、
自分の価値観や、
関係性の捉え方が表れているからです。
言いそびれた一言は、
後悔というより、
自分の内側を知る手がかりになります。
「あのとき、なぜ言わなかったのか」
そう問い直すことで、
次に同じ場面が来たときの
自分の行動が変わっていく。
言葉にできなかった本音は、
決して消えるわけではなく、
次の判断の準備をしているのだと思います。
タイミングも、言葉の一部
言葉は、内容だけでなく、
出すタイミングも含めて意味を持ちます。
同じ言葉でも、
その場で出すのか、
後から伝えるのかで、
受け取られ方は大きく変わります。
帰り道で思い出したその一言は、
もしかすると、
その場では出さなくてよかったのかもしれません。
言葉は、
いつでも出せばいいわけではなく、
必要なときに出せるよう、
自分の中に置いておくことも大切です。
言いそびれた一言は、
次の機会のための
静かな準備なのだと思います。
最後の問いかけ
あなたが最近、言わなかった言葉には、
どんな理由がありましたか?

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