第1回|スタバと経営の話 → 「おしゃれと経営感覚」【日常発見の窓口から】 | ソング中小企業診断士事務所

第1回|スタバと経営の話 → 「おしゃれと経営感覚」【日常発見の窓口から】

動画で見る日常発見の窓口からの記事説明

※この動画は「日常発見の窓口から」全記事に共通して掲載しています。

中小企業診断士としての日常のひとコマから、経営の本質をそっとすくい取るこのシリーズ。
第一回は、何気なく入ったスターバックスで感じた違和感から、「ブランドとは何か」「設計とは何か」を考えます。

4つの体系で読む、井村の経営思想と実践
記事・ツール・コラム・思想─すべては一つの設計思想から生まれています。
現場・構造・感性・仕組み。4つの視点で「経営を届ける」全体像を体系化しました。

実践・口

経営相談の窓口から
失敗事例の切り口から
会計数値の糸口から

現場の声を起点に、課題の本質を捉える入口。
今日から動ける“実務の手がかり”を届けます。

時事・構造

診断ノート
経営プログレッション
 

経営を形づくる構造と背景を読み解きます。
次の一手につながる視点を育てる連載です。

思想・感性

日常発見の窓口から
迎える経営論
響く経営論

見えない価値や関係性の温度に光を当てます。
感性と論理が交差する“気づきの場”です。

実装・仕組み

わかるシート
つなぐシート
みえるシート

現場で“動く形”に落とし込むための仕組み群。
理解・共有・対話を支える3つの現場シートです。

スタバで聞こえてきた、ある会話

先日、とある午後。少し時間が空いたので、ふらりとスターバックスに立ち寄って、パソコンを広げました。
スタバで仕事するの、昔から憧れてたんですよねぇ。なんというか、できる人!って感じが出せる気がして。
だからスタバで仕事してると、なんとなくそれだけで気分が上がっちゃったりします。もちろん大切なのは中身なんですけどね、はい。

そんなふうに気分よくキーボードを叩いていたときのこと。隣の席から、こんな声が聞こえてきました。

「いや〜最近、売上が落ちててさ……。値段のせいかなぁ?やっぱり商品変えるべきかね」

どうやら、小規模ながら自営業をされている方のようでした。相手は女性で、おそらく顧客かビジネスパートナーでしょうか。
「それって、価格というよりも“どう見せるか”じゃないですか?」という返しがあり、僕の中でなにかがピンときました。

商品の問題じゃない。「届け方」の問題かも

もちろん、隣の方々のビジネスの詳細なんてわかりません。でも話の端々から、「モノやサービス自体は悪くなさそうだな」と感じたんです。
それでも「売れない」「値段が高いと言われる」という。

僕自身、以前音楽制作の仕事で似たような経験がありました。
ソングメーカーはすべての依頼、フルオーダーメイドなので、僕が好きなように作った曲は商品にはなりません。
なので、自分で独自に作った曲をYOUTUBEに載せたりして、紹介することがあります。

ソングメーカー
オリジナル音楽の制作。創業2008年、受注実績1200曲。

結構、自分では「いい曲できた!」と自信もって紹介しても、反応が薄い…なんてことはザラにありました。
でもあるとき、「誰に届けたいのか」「どういう言葉で説明すれば、その価値が伝わるのか」を考え抜いたところ、明らかに依頼の質と量が変わったんです。

そう、問題は“中身”ではなく“届け方”だった。

経営の本質は「届け方設計」にある
コンサルティングの現場でもよくある話です。
すばらしい商品、丁寧なサービス、情熱を込めた事業。でも、それが「きちんと届いていない」ケースは山ほどあります。

たとえば――

  • 「◯◯でお困りの方に」と書かれていないので、誰のためのサービスかわからない
  • パッと見の印象がチープで、価格と品質のギャップに疑問を持たれる
  • 強みを本人がわかっておらず、平凡に見える

こうした問題は、ほぼすべて「届け方の設計」で変えられます。
たとえば言葉のチョイス。たとえば色味や導線。たとえば「本当に来てほしい顧客像」を明確にすること。

スタバで再確認した、自分の役割

スタバで隣の話を聞いて、僕はふと、自分がこの仕事をしている意味を思い出しました。
中小企業診断士。経営コンサルタント。いろんな呼び方はありますが、僕がやっているのは「価値を再設計して、社会との接点をつくる仕事」なんだと思います。

たとえるなら、「光ってるのに曇ったガラスケースに入っている宝石を、ちゃんと磨いて、透明なガラスの上に置く」ようなこと。
つまり、“中身を変えずに成果を変える”仕事。

だからこそ、「価値はあるのに伝わらない」と悩む人に出会うと、居ても立ってもいられなくなるんです。

まとめ:日常の中にヒントはある

スタバの午後。何気ないひとときの中に、僕は経営の本質を再確認しました。
人の悩みも、経営の課題も、日常のすぐ隣にある。だからこそ僕は、日常の“違和感”や“気づき”に敏感でいたいと思っています。

コンサルティングという仕事も、もしかするとそういう「ちょっとしたこと」に気づき、引き出し、整えることの連続なのかもしれません。

そんなわけで、仕事を終えて帰るときも誇らしげにノートパソコンを閉じ、ちょっといい気持のまま帰路についた、そんな日でした。

あなたへの問いかけ。
あなたは最近、“届け方”で損をしているもの、ありませんか?

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