第4回 | 世界観で選ばれる企業へ─動画・音楽・SNSを連動させた低コストPR戦略【響く経営論】 | ソング中小企業診断士事務所

第4回 | 世界観で選ばれる企業へ─動画・音楽・SNSを連動させた低コストPR戦略【響く経営論】

第4回 | 世界観で選ばれる企業へ─動画・音楽・SNSを連動させた低コストPR戦略【響く経営論】

広告費をかけても成果が出ない。
SNSで発信しているのに、なぜか人が集まらない。
多くの中小企業が抱えるこの悩みは、PR手法そのものの問題ではなく、「発信が単発で途切れている」ことに原因があります。

動画は動画、SNSはSNS、イベントはイベント──。
それぞれが別々に存在していると、せっかくの取り組みが記憶にも残らず、ブランド価値として蓄積されません。

しかし、動画 × 音楽 × SNSを“連動”させると、状況は一気に変わります。
ブランドの「世界観」が、視覚・聴覚・共感の3方向から同時に伝わり、
“忘れられない企業”へと変わっていく。

第4回の「響く経営論」では、
社歌制作×経営支援という両輪で取り組んできた実践知から、
低コストでも強いブランドをつくるPRの構造設計について解説します。

当コラムのもととなった記事

動画・音楽・SNSを連動させた低コストPR戦略
みなさんこんにちは!ソングメーカー代表兼、中小企業診断士の井村淳也です。「広告費をかけても成果が出ない」「SNSで発信しているのにフォロワーが増えない」──中小企業の経営者や広報担当者から、こうした悩みをよく耳にします。実は、PRの世界では...

この記事を読むことで得られること

  • 単発の発信が届かない理由(点の乱立=断片化)と、「点→線→物語」への設計思考がわかります
  • 動画×音楽×SNSの三位一体設計と、低コストで世界観を統一する実践ステップ(核メッセージの一本化/5〜7秒の音のサイン/“同じ映画のカット”としての撮影/SNSでの連続上映)が学べます
  • 公開順序(音→動画→SNS)で効果を最大化する方法と、採用・定着・顧客ロイヤル化まで波及させるコツがつかめます

まず結論:PRは「告知の足し算」ではなく、音→動画→SNSを連動させて世界観を記憶に刻む“仕組み化”であり、この順序と一貫性があれば小さな企業でも低コストで「忘れられない存在」になれます。

4つの体系で読む、井村の経営思想と実践
記事・ツール・コラム・思想─すべては一つの設計思想から生まれています。
現場・構造・感性・仕組み。4つの視点で「経営を届ける」全体像を体系化しました。

実践・口

経営相談の窓口から
失敗事例の切り口から
会計数値の糸口から

現場の声を起点に、課題の本質を捉える入口。
今日から動ける“実務の手がかり”を届けます。

時事・構造

診断ノート
経営プログレッション
 

経営を形づくる構造と背景を読み解きます。
次の一手につながる視点を育てる連載です。

思想・感性

日常発見の窓口から
迎える経営論
響く経営論

見えない価値や関係性の温度に光を当てます。
感性と論理が交差する“気づきの場”です。

実装・仕組み

わかるシート
つなぐシート
みえるシート

現場で“動く形”に落とし込むための仕組み群。
理解・共有・対話を支える3つの現場シートです。

  1. 単発の発信が反応を得られない本当の理由と解決策(動画 音楽 SNS 連動で届く発信を作る方法)
    1. 冒頭の現状と問題指摘
    2. 例え話で理解する発信の断片化の問題
    3. 動画 音楽 SNS の三位一体設計の重要性
    4. 点から線へ 文化をつくる発信の流れ
  2. 低コストで世界観を統一する方法と実践ステップ(企業PR 動画 音楽 SNS 連動で統一感を作る)
    1. 世界観の定義とPRにおける重要性
    2. ステップ① 核となるメッセージを一つに絞る方法
    3. ステップ② 音のサインで記憶に結びつける
    4. ステップ③ 映画のカットとして動画と写真を扱う
    5. ステップ④ SNSを連続上映の場とする運用法
  3. 連動型PRの公開順番で効果を最大化する方法(音 動画 SNS の最適な配信順)
    1. 公開順の重要性と序文
    2. 正しい公開の順番 概要
    3. ステップ① まず音を流す 認知の下地づくり
    4. ステップ② 次に動画で世界観を提示 意味を与える
    5. ステップ③ 最後にSNSで対話し関係を続ける
    6. まとめ 表で示す公開順と媒体の役割
    7. 結論と期待される効果
  4. 世界観の発信が採用 定着 顧客育成に波及する仕組み(連動型PRで組織と顧客を強くする方法)
    1. 連動型PRがつくる感じられるブランド体験
    2. 採用・定着・顧客化に波及する具体的効果
    3. 音が文化を保持する役割
    4. まとめ ブランドが物語を生きる組織へと変わる過程

単発の発信が反応を得られない本当の理由と解決策(動画 音楽 SNS 連動で届く発信を作る方法)

冒頭の現状と問題指摘

どれだけ質の高い動画をつくっても、SNSで丁寧に投稿をしても、
なぜか「届かない」「反応が薄い」という声は、現場でとてもよく耳にします。

しかし、その多くは「内容が悪い」のではありません。
本質的な問題は、発信同士が連動していないことにあります。

企業のSNS運用は、しばしば “その場しのぎ” の投稿になりがちです。
「今日の出来事」「新商品の紹介」「キャンペーンのお知らせ」。
どれも間違ってはいませんが、ストーリーとしてつながっていない。
つまり、投稿が メッセージではなく断片 になってしまっているのです。

例え話で理解する発信の断片化の問題

音楽に例えるなら、一つの曲を演奏するのではなく、
それぞれが好きな小節だけを弾いているようなものです。

どれだけ上手に演奏したとしても、
その断片が「曲」に結びつかなければ、
人の記憶には残りません。

情報も同じです。

人は「単体の情報」にはすぐに慣れ、すぐに忘れていきます。
しかし、「物語」には意味を感じ、心に残り、思い出として定着します。
だから、発信は “点” ではなく “線” として届ける必要がある のです。

動画 音楽 SNS の三位一体設計の重要性

ここで重要になるのが、
動画 × 音楽 × SNS の三位一体設計です。

● 動画は「世界観」をつくり

映像は、言葉で説明しきれない価値を一瞬で伝えます。
「明るい」「あたたかい」「信頼できそう」──
これは、説明ではなく “印象” の領域です。

● 音楽は「記憶に残す」

メロディは脳に直接届きます。
言葉よりも早く、深く、長く残る。
社歌やテーマサウンドは、ブランドの“感情的サイン”になります。

● SNSは「関係性を継続する場」

動画や音楽で生まれた感情を、
日々の投稿で“育てていく”場所です。
ここがあることで、ブランドは一過性ではなく持続性を持ちます。

点から線へ 文化をつくる発信の流れ

ここでようやく、発信は「点」ではなく「線」になる。
そして「線」が積み重なったとき、それは「物語」となり文化になる。

実は、強い企業のPRには共通点があります。

発信を「告知」ではなく「物語の共有」として行っている。

社員がその物語を語り、
顧客がその物語に共感し、
やがてその物語は「ブランド」という形で社会に残っていく。

ブランドとは、つきつめれば「忘れられない記憶」です。
そして記憶は、繰り返しによってしか育ちません。

だからこそ、連動させる必要があるのです。

  • 動画は感情を開き
  • 音楽は記憶に残し
  • SNSは関係を続ける

この三つがつながったとき、
小さな企業であっても、広告費をかけずに、
人の心に深く届く発信が可能になります。

低コストで世界観を統一する方法と実践ステップ(企業PR 動画 音楽 SNS 連動で統一感を作る)

世界観の定義とPRにおける重要性

「世界観」という言葉は便利ですが、曖昧にもなりやすい概念です。
しかし、PRにおける世界観とは、決して難しいものではありません。

それは、

見た人が “この会社らしい” と一瞬で感じる統一性
のことです。

ロゴや配色、フォントが統一されていることはもちろん大切ですが、
本当に効果を発揮するのは “繰り返し” によって生まれる認知の積み上げです。

世界観づくりの鍵は、派手さではなく 一貫性 にあります。

ステップ① 核となるメッセージを一つに絞る方法

● ステップ①:まず「核となるメッセージ」を1つ決める

ここを曖昧にしたまま発信すると、発信は必ず迷います。

例:

温度のある接客で、お客様の日常に小さな幸せを届ける

あなたの“らしさ”が輝く職場をつくる

地域とともに育つ、美容と健康のパートナー

難しい言葉はいりません。
「この会社が何を大切にしているのか」が、10秒で伝われば十分です。

ステップ② 音のサインで記憶に結びつける

● ステップ②:そのメッセージに「音のサイン」を与える

人は、音で感情を思い出します。
だから、短いジングルで良いのです。

5〜7秒の「企業の音」。

それがあるだけで、
動画の最後も、店舗のBGMも、SNSのリールも、同じ“記憶の帯”につながります。

これが「低コストPR」の中核です。

ステップ③ 映画のカットとして動画と写真を扱う

● ステップ③:動画も写真も「同じ物語の一場面」として扱う

多くのPRがつまづくのはここです。
動画も、写真も、SNSも、それぞれが別の目的でつくられてしまう。

そうではなく、

すべては「同じ1本の映画」のカットである

という認識を持つことが重要です。

撮影時に、カメラマン・現場・SNS担当が共有すべきたった1つの質問。

この画は、私たちの“何”を伝えるためのものか?

この問いが共有されるだけで、
写真は「ただ綺麗なもの」ではなく、意味を持った場面に変わります。

ステップ④ SNSを連続上映の場とする運用法

● ステップ④:SNSは「その映画を連続で上映する場所」になる

今日の一枚 → 「映画のワンカット」

リール → 「短い予告編」

投稿文 → 「監督の言葉」

こう整理すると、
すべてが “つながった発信” に変わっていきます。

投稿は作業ではなく、物語を続ける行為になる。

そして重要なのは、ここまでに一切「広告費」が必要ないということ。

必要なのは、

たった1つのメッセージ

5秒の企業の音

同じ物語だと共有する意識

だけ。

規模の大小は関係ありません。
世界観は、制度ではなく 態度 から生まれます。

連動型PRの公開順番で効果を最大化する方法(音 動画 SNS の最適な配信順)

公開順の重要性と序文

良い動画をつくっても、いい写真を撮っても、
それを「どの順番で出すか」を間違えると、手応えは弱くなります。

なぜか。

人は、新しい情報を受け取るとき、
“意味づけの文脈” を必要とする生き物だからです。

どれだけ素晴らしい映像でも、
文脈なしに突然見せられると、
「ふーん、良さそうだね」で終わってしまう。

つまり、PRにおいては

公開の順番そのものが、価値をつくる。

正しい公開の順番 概要

正しい順番は、次の3ステップです

  1. 音(感情の入口をつくる)
  2. 動画(世界観を体験させる)
  3. SNS(共感を育て、関係を続ける)

順に説明します。

ステップ① まず音を流す 認知の下地づくり

① まず「音」を流す(認知の“下地”づくり)

人は、音に最も早く慣れます。
そして「慣れた音」には安心感を覚えます。

だから、社歌でなくていい。
5〜7秒の“ブランドの音”で十分。

店舗のBGMにする

ストーリー投稿の最後に差し込む

動画のイントロに使う

社内イベントで流す

この段階では「伝える」より「馴染ませる」。

音は“空気の中に染み込ませる”のが正解です。

ステップ② 次に動画で世界観を提示 意味を与える

② 次に「動画」で世界観を提示(意味を与える)

音に慣れた状態で動画を流すと、
その映像は “初めて見るのに懐かしい感覚” を伴います。

これは脳科学的に「認知の定着」が起きている状態。

動画の役割はただ一つ:

この会社は、何を大切にしているのかを、説明ではなく情景で伝えること。

ここで派手さは不要。
大切なのは「嘘がないこと」だけです。

ステップ③ 最後にSNSで対話し関係を続ける

③ 最後に「SNS」で対話し、関係を続ける

動画で共有した世界観を、
日々の投稿で “生活の速度” に落とし込む。

今日の一枚

小さなストーリー

スタッフの言葉

お客様の声

これらはすべて「余白」です。
余白があるからこそ、受け手が自分の記憶とつなげられる。

SNSは“共感を育てる畑”。

まとめ 表で示す公開順と媒体の役割

フェーズ 媒体 役割
感情の入口(馴染ませる)
動画 世界観の提示(意味づける)
SNS 関係の維持(育てる)

結論と期待される効果

この順番を守るだけで、
PRは「消費される情報」から「記憶に残る物語」へと変わる。

世界観の発信が採用 定着 顧客育成に波及する仕組み(連動型PRで組織と顧客を強くする方法)

連動型PRがつくる感じられるブランド体験

連動型のPRは、単に「見られる」発信ではなく、
“感じられる” ブランド体験をつくります。

音 → 世界観 → 関係性
という三位一体の流れは、外側のアピールだけでなく、
内側から組織を強くしていく力を持っています。

それはなぜか。

世界観とは、言い換えれば

「この会社は何を信じているのか」
という信念の表明だからです。

信念には、人を惹きつける力があります。
これが企業活動に波及すると、次の現象が起きます。

採用・定着・顧客化に波及する具体的効果

  1. ① 採用において “共感採用” が可能になる
  2. ② 社員の定着率が上がる(辞める理由が消える)
  3. ③ 顧客が「ロイヤル化」する(ファンが生まれる)

① 採用において “共感採用” が可能になる

求人広告の文章をいくら工夫しても、
世界観が共有されていない会社に人は来ません。

逆に、発信を通じて世界観が伝わっている会社には、
「ここで働きたい」と思う人が自然と現れます。

給与より「雰囲気に惹かれて」

条件より「価値観が自分に合うから」

そんな応募が増える。

採用が「選ぶ場」ではなく、
“出会う場” に変わります。

② 社員の定着率が上がる(辞める理由が消える)

人が辞める根本理由は、たった一つです。

自分の存在が「物語」に組み込まれていないとき。

世界観が共有されている組織では、
社員は「役割」ではなく “登場人物” になります。

自分は何のために働くのか

この仕事は誰のためにあるのか

仲間はどの方向を見ているのか

それが見えている組織では、
離職は自然と減少します。

③ 顧客が「ロイヤル化」する(ファンが生まれる)

物語のあるブランドは、忘れられません。

動画や音、SNSを通じて触れているうちに、
その企業は 「商品を買う相手」から「応援する相手」へ と変わる。

顧客が語り手となり、
口コミが“物語を運ぶメディア”になる。

これは広告費では買えない力です。

音が文化を保持する役割

そして、音は文化を“保持”する

組織は、言葉よりも早く、音でまとまります。

  • 社歌でもよい
  • テーマソングでもよい
  • 5秒のジングルでもよい

音は、価値観の“記憶装置”です。

言葉が風化しても、
仕組みが変わっても、
世代が入れ替わっても、

音が鳴れば、文化が戻る。

これは、音楽を知る者としての実感であり、
経営を支援してきた現場での確信でもあります。

まとめ ブランドが物語を生きる組織へと変わる過程

まとめ

連動型PRとは、「派手に見せる」戦略ではありません。
世界観を言葉 → 音 → 映像 → 関係性の順に届けていく行為です。

そうして企業は、「情報を発信する存在」から
“物語を生きる存在” へと変わっていく。

そして、その物語が社員に根づいたとき、
企業は強い未来を持ちます。

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