「このままでは、時代に取り残されてしまう…」
地域密着の老舗旅館が、Web集客の限界や経営の停滞に悩み、再起をかけて立ち上がったストーリーです。
本記事では、インターネット活用による集客力向上と、旅館経営の基本からの見直しを通じて、持続的経営を実現したプロセスをご紹介します。
伝統を守りつつ時代に適応する方法を知りたい方に、実践的なヒントをお届けします。


設定:経営者が、長引く老舗旅館の経営不振を打開したいと悩んでいるが具体策がわからず、コンサルタントに相談を持ちかけた場面から始まる。
相談者のプロフィールと課題の背景
観光地で長年営業している老舗旅館の経営者が、ソング中小企業診断士事務所に問い合わせをしました。
近年は宿泊予約の多くがインターネット経由となる中、Web上での情報発信や予約対応に課題を感じており、客数も徐々に減少。
また、スタッフの定着や業務効率の低下といった内部課題も重なり、総合的な経営の見直しを希望して相談に至りました。
導入部分 自己紹介と企業、事業、商品、現状、悩みの説明

佐藤女将、本日はお時間をいただき、ありがとうございます。井村淳也と申します。中小企業診断士として、特に中小企業の皆様の経営課題の解決をサポートさせていただいております。私自身も長く事業を経営してきた経験があり、理論だけでなく、現場で「実行し効果が出てこそ意味がある」という考え方を大切にしております。どうぞ、本日はどのようなことにお悩みか、お聞かせいただけますでしょうか?

井村さん、初めまして。佐藤と申します。老舗の小さな旅館を営んでおります。今日は、インターネットでの集客についてご相談したいと考えておりますが、それ以外にも何かアドバイスいただければと思います。

老舗の旅館さんでいらっしゃるとのこと、素晴らしいですね。長く地域に根差して経営されてこられたのですね。旅館の歴史や、佐藤女将の事業への想いなど、差し支えなければもう少し詳しく教えていただけますか?

はい。当旅館は、祖父母の代から始まり、私が三代目になります。温泉街の中心部からは少し離れているのですが、静かで落ち着いた雰囲気が自慢です。地元の新鮮な山海の幸を使った料理や、こぢんまりとしていますが源泉かけ流しの温泉もお客様にはご好評いただいており、長年通ってくださる常連のお客様もいらっしゃいます。ただ、全体的に建物の老朽化も進んでいますし、正直、これといった「売り」が他と比べて際立っているわけではないようにも感じておりまして…。

なるほど。静かな環境、地元の食材、源泉かけ流しの温泉、そして長年の常連客。これらは既に素晴らしい強みとなりうる要素だと思います。ありがとうございます。それでは、現在のお悩みであるインターネット集客について、もう少し具体的に教えていただけますか?どのような状況で、どのようなことに困っていらっしゃいますか?

はい。数年前からホームページは持っているのですが、ほとんど更新できていません。大手旅行予約サイトにも登録しているのですが、正直、他の新しい旅館さんやホテルさんに比べて、私たちの宿の情報が見劣りする気がしまして…。写真も古いですし、宿の魅力がうまく伝わっていないと思うんです。

ホームページをお持ちで、大手予約サイトにも登録されているのですね。素晴らしい取り組みだと思います。具体的に、「伸び悩んでいる」というのは、アクセス数が少ないということでしょうか?それとも、アクセスはあるけれど予約に繋がらない、ということでしょうか?

多分、どちらもだと思います。ホームページのアクセス数もよく分からないですし、予約サイト経由の予約も、以前より減っている気がします。特に若いお客様や、新しいお客様をインターネット経由で獲得するのが難しくなってきていると感じています。周りを見ても、皆さんすごく綺麗で立派なホームページや、SNSで積極的に情報を発信されていて…。このままでは時代に取り残されてしまうのではないかと、不安でいっぱいです。資金繰りも、正直楽ではありませんし、新しい設備投資も必要な時期なのに、なかなか踏み切れません。

新しいお客様、特に若い世代のお客様の獲得に課題を感じていらっしゃるのですね。周りの旅館さんの積極的な情報発信をご覧になって、焦りを感じるお気持ち、お察しいたします。そして、資金繰りのご心配、新しい設備投資への不安もあるとのこと、お辛い状況かと思います。ご安心ください。これまで長く事業を続けられてきたこと自体が、多くの困難を乗り越えてきた証であり、そこに必ず強みがあるはずです。今日はその強みを一緒に見つけ出し、インターネットというツールを使って、より多くのお客様にその魅力が伝わるように、具体的な方法を考えていきましょう。
問題点の洗い出し

情報を共有してくださり、ありがとうございます。まずは、佐藤女将が今感じていらっしゃる問題点や、課題だと思っていることを、もう少し掘り下げてみましょう。インターネット集客という点に焦点を当てて、現状を一緒に整理してみます。

はい。何から話せばよいか…

大丈夫ですよ。思いつくままに、お話しいただければ結構です。例えば、現在のホームページをご覧になったお客様から、何かご意見をいただくことはありますか? または、ご自身でご覧になって、どのような点がお客様にとって分かりにくい、あるいは魅力が伝わりにくいと感じますか?

うーん…。お客様から直接ホームページの感想を聞く機会はほとんどないのですが、自分では、なんだか古くさいな、とは思います。写真も、プロに撮ってもらったものではないので、料理や温泉の湯加減、部屋の雰囲気とかが、あまり美味しそうに、気持ちよさそうに、暖かそうに写っていない気がするんです。旅館の良さが十分に表現できていないというか…。それから、予約の仕方も、若い人たちにとっては少し分かりにくいんじゃないか、とも思います。

写真の質や、予約の分かりにくさですね。これはインターネット集客において非常に重要なポイントです。お客様は写真を見て直感的に宿の雰囲気を掴みますし、予約の手続きがスムーズでないと、せっかく興味を持っても離脱してしまう可能性があります。

あとは、他の旅館さんだと、「〇〇プラン」とか「△△特典付き」とか、色々な宿泊プランを出していますよね。うちも一応、いくつかプランは作っているんですが、あまり響いている気がしないんです。どんなプランを出せばお客様に喜んでもらえるのか、どんなお客様に来てほしいのか、そのあたりも漠然としていて。

宿泊プランの企画と、ターゲット顧客の不明確さですね。ターゲットとするお客様がどんなニーズを持っているかを把握できていないと、効果的なプランは生まれにくいかもしれません。

それから、旅館の「強み」について、井村さんは「必ず何か強みがあるはずだ」と仰ってくださいましたが、正直、自分たちではそれが何なのか、よく分からなくなってしまっているんです。長くやっているので当たり前になってしまっていて、お客様がどこに価値を感じてくださっているのか、あまり意識したことがありませんでした。

なるほど。ご自身では「当たり前」だと思っていることが、実は他にはない独自の強みである、ということは非常によくあります。それを自覚し、言語化できていない、ということですね。これは多くの企業様が抱える共通の課題でもあります。強みが明確でないと、ウェブサイトや予約サイトで効果的にアピールするメッセージも定まりません。

そうなんです。自分たちの宿の魅力が何かを言葉にするのが難しいと感じています。

ありがとうございます。整理すると、現在のインターネット集客における問題点はいくつか見えてきましたね。
- ウェブサイトの視覚的な魅力不足と情報の古さ: 写真などのコンテンツが充実しておらず、旅館の雰囲気が伝わりにくい。
- ウェブサイトの機能的な課題: 予約プロセスが分かりにくい可能性がある。
- 宿泊プランとターゲット顧客の不明確さ: どんなお客様に、どんな価値を提供したいのかが曖昧で、効果的なプランが作れていない。
- 自社の「強み」「差別化ポイント」の認識不足: 他にはない独自の価値が何かが、経営者自身や従業員の間で共有・言語化できていない。
- 全体的な情報発信の不足: ウェブサイトやSNSでの情報発信が十分に行われていない。
- 財務的な懸念と投資へのためらい: 資金繰りの厳しさや、リニューアルなどへの投資判断に不安がある。
これらの問題が複合的に絡み合い、インターネットからの新規顧客獲得に繋がりにくい状況を生み出していると言えそうですね。
課題の選定

今洗い出した問題点の中で、佐藤女将が特に重要だとお考えになる課題はどれでしょうか?あるいは、どこから着手するのが、現状を打開するために最も効果的だと思われますか?

そうですね…。やはり、まずは自分たちの宿の「強み」をはっきりさせたいです。それが分からないと、何をどうアピールすればいいのか、どんなお客様に来てほしいのかも考えられない気がします。それと、ホームページは何とかしないといけないと思っています。今のままでは、せっかく見てもらっても、すぐに他の宿に行ってしまうでしょうから。

仰る通りです。旅館の経営において、自社の「強み」を明確に認識し、それを最大限に活かすことは、競合との差別化を図り、競争優位性を高めるために非常に重要です。そして、その強みを効果的に伝えるための「顔」となるのが、現在のオンラインにおいてはウェブサイトですね。
したがって、今回の事例における中心的な課題は、以下の2点と捉えるのが良いでしょう。
- 1. 旅館の隠れた「強み」を発見・再認識し、言語化・共有すること。
- 2. その「強み」を最大限に伝えるため、ウェブサイトを中心にオンラインでの情報発信を抜本的に改善すること。
これらの課題に取り組むことで、ターゲットとするお客様に旅館の魅力が響き、予約に繋がる、そして結果として売上向上や財務状況の改善、そして将来的な投資への道が開けると期待できます。

はい、その二つは確かに一番の悩みです。でも、どうやって進めればいいのか…。

ご安心ください。ここからは、これらの課題に対する具体的な解決策を一緒に考えていきましょう。私の経験や知識も踏まえ、佐藤女将の旅館にとって最も実現可能性が高く、効果的な方法をご提案させていただきます。
具体的な解決策の提案

まずは、旅館の「強み」の再発見から始めましょう。これは佐藤女将お一人だけでなく、従業員の皆さんも含めて一緒に考えることが非常に有効です。なぜなら、お客様と直接触れ合っているのは現場の皆さんですし、彼らだからこそ気づける旅館の魅力や、お客様からの意外な声があるからです。

従業員と一緒に、ですか。みんな忙しいのに、そんな時間を取れるでしょうか…。それに、彼らに宿の強みなんて聞いても、難しい顔をされてしまいそうで…。

最初は戸惑うかもしれませんが、従業員の皆さんを巻き込むことは、単に強みを見つけるだけでなく、皆さん自身の仕事へのモチベーション向上や、会社への貢献意識を高めるためにも繋がります。自分たちの意見が経営に反映されることで、やらされ感ではなく、主体性を持って業務に取り組めるようになります。例えば、少人数でのワークショップ形式で、お茶を飲みながらでも構いません。「お客様に褒められたこと」や「うちの宿のここが好きだなと思うところ」、「他の宿にはない特徴」などを自由に書き出してもらうことから始めてみてはいかがでしょうか?

なるほど…。「褒められたこと」なら、従業員も話しやすいかもしれませんね。

そうです。そうやって出てきたキーワードを整理すると、そこに共通する「お客様にとっての価値」が見えてくるはずです。例えば、佐藤女将が仰っていた「静かで落ち着いた雰囲気」は、都会の喧騒から離れてゆっくり過ごしたいお客様にとっては、非常に大きな魅力となり得ます。また、「地元の新鮮な食材」も、食に関心の高いお客様にとっては決め手となるでしょう。源泉かけ流しの温泉も、温泉好きにはたまらないポイントです。これらを一つずつ丁寧に掘り下げ、「なぜお客様はうちの宿を選ぶのか」「お客様にとってどんな良い体験を提供できているのか」を明確にしていきます。

自分たちにとっては当たり前すぎて、価値だと思っていなかったことかもしれません。

まさにそこがポイントです。そのようにして見つけた「強み」を、今度はウェブサイトで効果的にアピールするステップに移ります。現在のウェブサイトを見直す必要があると思います。大規模な改装が難しければ、まずはできる範囲から着手できます。

具体的には、どのような改善が必要でしょうか?

最も重要なのは、視覚的な要素の強化です。写真の質は非常に重要です。プロのカメラマンに依頼するのが理想ですが、難しければ、スマートフォンのカメラでも構いませんので、明るい時間帯に、お客様目線で魅力を感じる角度から、料理、温泉、お部屋、お庭、館内の共用スペースなどを丁寧に撮影し直しましょう。特に、食事は湯気や彩りが伝わるように、温泉は湯加減の良さや清潔感が伝わるように工夫が必要です。
次に、サイトの構成と内容です。旅館の「強み」を前面に出した構成にします。例えば、「静けさ」「食材」「温泉」「おもてなし(強みとして出てきた場合)」といったカテゴリーを作り、それぞれのページで写真と共に詳細な情報を載せます。お客様が「この宿に泊まると、どんな良いことがあるのか」という視点でコンテンツを作成することが大切です。
また、佐藤女将の「想い」を伝えるページを作るのも効果的です。なぜこの旅館を経営しているのか、お客様にどのような体験をしてほしいのか、従業員や地域への思いなど、佐藤女将の人柄が伝わるメッセージは、お客様との感情的な繋がりを生み出し、安心感や信頼感に繋がります. 私の経営理念にもありますが、「お客様の想いを何よりも大切に」という姿勢を伝えることが重要です。

私の思い、ですか…。恥ずかしいですが、考えてみます。

きっと、佐藤女将ならではの温かい想いがあるはずです。それを言葉にすることで、お客様だけでなく、従業員の皆さんにも改めて旅館の目指す方向性が伝わります。

さらに、サイトに動きを加えることも検討できます。例えば、動画の活用です。1分間の動画はウェブサイト3600ページ分の情報量があるとも言われています。お部屋から見える景色、温泉の湯が注がれる様子、料理の盛り付け風景、佐藤女将や従業員さんの笑顔など、写真だけでは伝わりにくい臨場感や雰囲気を伝えることができます。動画制作というと難しく感じるかもしれませんが、専門の業者に依頼したり、最近はスマートフォンでも質の高い動画を撮影・編集することも可能です。私の方でも、旅館のストーリーに合わせたオリジナル音楽(テーマソングやジングル)と組み合わせた動画制作のサポートを行っております。音楽は人の感情に訴えかけ、記憶に残りやすいため、旅館の印象を深め、他との差別化にも繋がります。

動画、ですか!それは考えたこともありませんでした。でも、難しそうですね…。

確かにハードルは感じるかもしれません。ですが、すべてをプロに任せることもできますし、将来的にご自身で更新していけるように、動画制作のスキル指導までをパッケージにしたサービスもございます. まずは、どのような動画で何を伝えたいか、ストーリーを一緒に考えることから始めましょう。

ストーリー…。旅館の歴史や、私たちの工夫していることなどを伝えられたら良いかもしれませんね。

素晴らしいアイデアですね。そのストーリーに沿って、必要な写真や動画の素材を選定・撮影していきます。
そして、予約システムも見直しましょう。お客様が迷わず、簡単に予約できるデザインになっているか確認が必要です. スマホからの利用者が多い時代ですから、スマートフォンでの見やすさ、操作のしやすさも非常に重要です。
最後に、大手旅行予約サイトの情報も、ウェブサイトの改善に合わせて見直してください. ウェブサイトで明確になった「強み」や、新しく撮影した写真、作成した動画などを活用し、予約サイトでも統一感のある魅力的な情報発信を心がけましょう。
これらの取り組みは、すぐに大きな成果が出るとは限りませんが、インターネット上での「視認性」と「魅力」を高めることで、より多くのお客様の目に留まり、興味を持ってもらい、最終的に予約に繋がる可能性を高めていきます。

ウェブサイトの改善と、強みの再発見…。どちらも大変そうですが、やるべきことが少し見えてきた気がします。

はい。そして、これらのマーケティング活動と並行して、財務状況の把握と売上成長計画の策定も行いましょう。 現在のコスト構造はどうなっているのか、改善できる部分はないか、目標とする売上を達成するために、年間、月間、そして一泊あたりの客単価など、具体的な数値を設定します。 私の方でも、決算書や資金繰り表を確認させていただき、現状の財務状況の「健康診断」を行いながら、どのようなアクションが効果的か、アドバイスさせていただきます。 借入金があるようでしたら、金利の見直しや借り換え、有利な公的融資や補助金の活用も検討できるかもしれません。

財務のことは、正直あまり得意ではなくて…。 税理士さん任せになっている部分もあります。

それでも大丈夫です。 分かりやすい言葉で丁寧にご説明しますので、ご安心ください。 財務状況を細かく見ていくことで、旅館の現状や隠れた課題が明らかになり、より具体的な経営改善の施策が見えてきます。
実行~評価~改善のフェーズ

さて、解決策が見えてきたところで、次はそれをどのように「実行」し、「評価」し、そして「改善」していくか、というフェーズについて考えましょう。計画を立てるだけでは意味がありません。実行し、効果が出てこそ、初めて経営改善に繋がります。
まず、「強みの再発見」と「ウェブサイト改善」の取り組みについて、具体的な実行計画を立てます。
- 従業員ワークショップの実施: 日程を調整し、従業員の皆さんに参加を呼びかけます。まずは、旅館の好きなところ、お客様からの声などを自由に話してもらう機会を作ります。
- 強みの言語化と共有: ワークショップで出た意見を基に、旅館の核となる「強み」をいくつか言葉にします。これをポスターにして館内に貼ったり、従業員間で共有したりします。
- ウェブサイト改善計画の具体化: どのような写真を撮り直すか、動画で何を伝えるか、サイトの構成はどうするかなどを具体的に決めます。外部に依頼する場合は業者選定を行います。ご自身でやる場合は、スケジュールを決めます。
- 写真・動画撮影: 計画に基づいて、プロまたはご自身で撮影を行います。
- ウェブサイトの更新・リニューアル: 撮影した素材や、言語化された強みを盛り込み、サイトの改修またはリニューアルを行います。予約システムの改善も同時に行います。
- 大手予約サイト情報の更新: 新しい情報や写真を使って、予約サイトの情報を最新の状態に更新します。
- 情報発信の開始: ウェブサイトが完成したら、可能であればSNSなども活用し、積極的に情報発信を始めます。 強みや、旅館での過ごし方、地元の魅力などを継続的に発信していきます。
実行したら、次は「評価」です。行った施策が効果を生んでいるかを確認します。
- ウェブサイトのアクセス数・滞在時間・予約率(コンバージョン率)の変化を確認します。Googleアナリティクスなどのツールを使うと、詳しい数値が見られます(導入サポートも可能です)。
- 大手予約サイト経由の予約数の変化を見ます。
- 可能であれば、お客様からのフィードバックを収集する仕組みを作ります。アンケートを置いてみたり、チェックアウト時に簡単な聞き取りをしたり、レビューサイトのコメントを確認したりします。 従業員からも、お客様の反応を定期的に報告してもらうようにします。
- 売上や利益への影響を確認します。 財務数値を見ることで、経営全体への効果を評価できます。
これらの評価結果を基に、「改善」を行います。例えば、ウェブサイトの特定のページの滞在時間が短いなら、内容を見直す必要があるかもしれません。予約率が低いなら、予約導線に問題があるか、価格やプラン設定が適切でない可能性があります。お客様のアンケートで要望が多い点があれば、サービス改善に繋げます。

数値を見たり、お客様の声をちゃんと聞いたり…。これまであまり意識していませんでした。

データに基づいた評価と、現場や顧客からのフィードバックは、的確な改善を行う上で非常に重要です。
この「実行」「評価」「改善」のサイクルを継続的に回していくことが大切です。 最初から完璧を目指す必要はありません。 小さな改善を積み重ねていくことで、確実に前に進むことができます。
私の方では、佐藤女将の旅館の「伴走者」として、このサイクルを一緒に回していくサポートをさせていただきます。 定期的に状況をヒアリングさせていただき、数値データを確認し、出てきた課題に対して次の改善策を一緒に考え、提案させていただきます。 不安なことや疑問が出てきたらいつでも相談してください。

一緒にやっていただけると思うと、心強いです。一人で悩んでいると、どうしていいか分からなくなってしまって…。

そのお気持ち、非常によく分かります。 私自身も事業経営で孤独を感じた経験がありますから。 誰かに相談できることで、心が軽くなることもありますし、客観的な視点から解決策が見えてくることもあります。
まとめと今後の展望

本日は、佐藤女将の旅館のインターネット集客の悩みから始まり、隠れた「強み」の再発見、そしてウェブサイト改善を中心とした具体的な集客戦略と、その実行・評価・改善のプロセスについてお話しさせていただきました。
これまでの旅館の歴史や、佐藤女将の事業への想い、そして地元の食材や温泉といった素晴らしい要素は、きっとお客様に喜ばれる「強み」となり得ます。それを明確にし、ウェブサイトというツールを通じて分かりやすく、魅力的に伝えることができれば、これまでとは違う層のお客様にも旅館の価値が届き、インターネットからの新規顧客獲得に繋がるはずです。
すぐに大きな変化が現れるわけではないかもしれませんが、今日お話ししたステップを一つずつ着実に実行し、その結果を見ながら改善を続けていくことで、必ず良い方向に向かうと確信しております。
この取り組みを通じて、お客様には旅館の本当の魅力が伝わり、もっと満足していただけるようになります。従業員の皆さんも、自分たちの働く宿の価値を再認識し、仕事への誇りを持って取り組めるようになるでしょう。そして、それは必ず旅館の業績向上、資金繰りの改善、そして明るい未来へと繋がります。

井村さんのお話を伺って、漠然とした不安が少し晴れて、希望が見えてきました。自分たちの宿にもまだ可能性があるんだ、と思えました。

もちろん、可能性は十分にあります。大切なのは、佐藤女将の「何とかしたい」という強いお気持ちと、実行に移す行動力です。
今後の展望としては、まずは今日ご提案した「強みの再発見ワークショップ」と「ウェブサイト改善の具体化」から着手しましょう。そして、その進捗状況を定期的に共有させていただき、必要に応じて具体的なアクションプランを修正していきます。
ウェブサイトが改善され、インターネットからの集客が軌道に乗ってきたら、次はリピーターのお客様にもっと喜んでいただくための施策(例えば、特別な季節プランや、長期滞在向けのサービス、お客様とのコミュニケーション強化など)や、地域と連携したイベント企画なども考えられます。また、財務状況が改善すれば、必要な設備投資(老朽化部分の改修など)についても具体的に計画を立て、補助金や融資の活用も含めてサポートできます。
どんな小さな一歩でも構いません。一緒に力を合わせて、佐藤女将の旅館がこれからも長くお客様に愛される存在であり続けられるよう、伴走させていただければ幸いです。

はい! 今日から、まずは従業員と話すことから始めてみます。そして、ホームページの写真も見直してみます。本当に、ありがとうございました。

こちらこそ、本日はありがとうございました。何かありましたら、いつでも遠慮なくご連絡ください。佐藤女将の旅館のますますのご発展を心から応援しております。共に頑張りましょう!
ご自身の状況と重なる部分があると感じた方へ。
議論よりも対話、理論よりも現場、正しさよりも納得感。
これは、私が支援において常に基盤においているスタンスです。
多くの診断士が“数字と理屈”を武器に議論を展開しがちな中、私はまず現場へ出ることを選びます。
職場の空気を感じ、スタッフの声を聴き、そこから生まれる対話と納得を重ねていくことで、
ストラテジーは「本当に働くもの」へと変わっていきます。
この姿勢は、あなたの職場やチームの笑顔を増やす“本質的な支援”へとつながると信じています。
興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度、現場での「対話」の機会を設けてみませんか?
下のフォームからお気軽にご連絡ください。
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「他の経営者はどんな悩みを抱えていたのか?」「どのような突破口があったのか?」
具体的な支援事例から、経営改善のヒントを見つけてみてください。