新規受注拡大と持続的成長を目指す対話~提案型営業の導入と企業の強みを活かした効率的な顧客獲得戦略の実践 | ソング中小企業診断士事務所

新規受注拡大と持続的成長を目指す対話~提案型営業の導入と企業の強みを活かした効率的な顧客獲得戦略の実践

新規受注拡大と持続的成長を目指す対話~提案型営業の導入と企業の強みを活かした効率的な顧客獲得戦略の実践

【登場人物】
経営相談の窓口から~微笑む経営者
経営者:中小企業の経営者。経営において様々な悩みを抱えている。事業の安定改善を図りたいと考えているが、具体的に何をすればいいのかがわからず、相談できる相手もいない。
経営お悩み解決:井村淳也
経営コンサルタント:企業の経営改善を支援するコンサルタント、ソング中小企業診断士事務所代表、井村淳也。中小企業診断士としての知識と自身の事業経営経験を活かし、相談者の想いに寄り添った実現可能性を考慮した経営改善提言を重視している。

設定:経営者が、市場環境の変化によって新規案件の数が減ってきており、経営面での将来性に不安を感じてコンサルタントに相談を持ちかけた場面から始まる。

産業機械の設計・製造・開発に携わる中小企業が、新たな市場環境への挑戦を迫られている今、創業2年目という若さにもかかわらず、既存の取引先からは信頼を得つつも、業界全体の変革と大手企業への一括発注が進む中で、新規案件の獲得が困難な状況に直面している経営者からご相談いただきました。その現実は、従来の方法を一新し、柔軟かつ戦略的なアプローチを求めています。

限られたリソースの中でどうやって企業の強みを最大限に活用し、持続可能な成長を実現していくのか―この対話は、そんな問いに対して実践的かつ情熱をもって答えを探る内容となっています。従来の枠組みに捉われない新たな視点を取り入れ、目先の困難を乗り越え、未来への一歩を踏み出すためのヒントがここに詰まっています。経営者として日々の挑戦に取り組む皆様に、読み進めるたびに新たな発見と前向きな気持ちを提供し、明るい未来への道筋を共に見出すための内容となっております。

現状

  • 産業機械の設計、製造、開発を行っている。
  • 創業2年で従業員は1名、取引先は6件と小規模。
  • 安定した受注と再注文を頂いている。

問題点

  • 最近の市場環境では、多くの取引先が社内化や大手一括発注へのシフトをしている。
  • 案件そのものが減少傾向にある。

課題

  • 事業拡大のための資金投入や客層拡大、新たな業種・サービスへの挑戦が実現困難な状況にある。
中小企業診断士・井村淳也

こんにちは。本日はご相談いただきありがとうございます。御社の現状、問題点、課題を整理いたしました。まずは、この現状について、今のお気持ちはどのようなものでしょうか?

悩んでいる人

はい、実際は現状の業務はこなせており、既存の取引先からは安定した受注があるものの、市場環境の変化によって新規案件の数が減ってきており、経営面での将来性に不安を感じています。自治体の無料相談も受けたのですが、具体的な実践策が示されず、非常に抽象的なアドバイスに留まってしまいました。そのため、どうすれば受注の増加、新たな顧客層の開拓ができるのか、具体的なアクションプランが知りたいと考えています。

中小企業診断士・井村淳也

そのお気持ち、十分に理解いたします。市場環境の変化の中で、現状の業務をしっかりこなしつつも、持続的に成長するための新規顧客獲得は非常に重要なテーマですね。これまでの無料相談では具体策が見つからなかったとのことですから、今回は実行可能な内容で議論していきましょう。まず、現状の整理と一番困っている点を再確認させていただきたいと思います。特に、どの工程や取り組みで最も困難を感じていらっしゃるでしょうか?

悩んでいる人

現状、一定の再注文があったり、取引先との信頼関係は構築できていると思います。しかし、新規のお客様へのアプローチや、大手の一括発注に対抗する具体策の構築に非常に苦労しております。広告をかけたり、直接コンタクトを試みたりはしているのですが、反応が薄いと感じるのが大きな悩みです。いかにして、少ないリソースで効率的に新たな顧客層を引き寄せるかが課題です。

中小企業診断士・井村淳也

なるほど。まずは、現状分析から始めましょう。御社が提供している製品やサービスのどの部分が、既存のお客様にとって大きな価値となっているのか、また、差別化できる技術力や対応スピードなどの強みを具体的に洗い出すことが必要です。これらを整理することで、営業メッセージを明確化し、具体的な提案型営業へと転換できるはずです。

さらに、市場動向の把握も欠かせません。大手企業への一括発注の流れや、業界全体での需要の変化、新たな技術トレンドなどを調査することで、どこに今後の需要が集中するのかを見極める必要があります。こうした情報は、業界の展示会や専門誌、セミナーなどから収集できますね。

悩んでいる人

その通りだと思います。実際、市場の最新情報をもう少ししっかりと把握し、自社の強みを再確認する必要がありそうです。私自身でもできる限り調査しようとは思っているのですが、具体的な進め方や情報の扱いについては、まだ手探りの状態です。

中小企業診断士・井村淳也

そこで、具体的なアクションプランをいくつかご提案いたします。まず、以下のステップで取り組んでいただければと思います。

  1. 顧客アンケートの実施
  2. 競合ベンチマークの実施
  3. 市場トレンドと技術動向の調査
  4. ターゲット企業リストの策定とセグメント化
  5. 提案型営業の強化

これらのステップを順次実行することで、現状の課題を細分化し、具体的な改善策を講じることができると考えています。

悩んでいる人

具体的なステップを提示していただき、とても分かりやすく感じました。特に、顧客アンケートや市場トレンドの調査、そしてターゲット企業のセグメント化は、これまで十分に取り組めていなかった部分です。これらを通じて、御社の強みが明確になれば、提案型営業に大きくシフトできると思いますが、実際の営業活動や日々のアクションプランについても詳しく教えていただけますか?

中小企業診断士・井村淳也

もちろんです。次に、営業活動の具体的なアクションプランとタイムラインについてお話しましょう。短期・中期・長期のそれぞれの期間で実行できる施策を以下に示します。

■ 短期(最初の3ヶ月間)

  • 現状分析の完遂:
    • ① 既存顧客に対するアンケート実施とインタビューで得たデータの整理。
    • ② 競合他社や市場動向の情報収集、展示会やセミナーの参加。
    • ③ 営業メッセージを見直し、現状の強みと課題を整理する。
  • 営業メッセージ再構築:
    • 既存の良好な点(技術力、迅速な対応など)を強調しつつ、ターゲット別にカスタマイズした提案書のひな形を作成する。

■ 中期(次の3~6ヶ月間)

  • ターゲット企業リストの策定とアプローチ開始:
    • ① 前段階でセグメント化したターゲット企業リストを元に、優先度順にアプローチ開始。
    • ② 提案書を元に、電話、メール、場合によっては直接訪問によるアプローチを実施。
    • ③ 初回のアプローチ結果や反応を記録し、都度改善を図るためのフィードバックループを設ける。
  • オンラインとオフラインの融合:
    • ① ホームページやSNSの情報発信を強化し、オンラインマーケティングの基盤を整備。
    • ② ウェビナーや技術セミナーなど、直接お客様と対話できる場を設け、製品の理解を深める。

■ 長期(6ヶ月先以降)

  • パートナーシップの構築:
    • ① 業界内で信頼できる企業との連携や、共同プロジェクトの検討。
    • ② 外部のマーケティング支援、または営業支援の専門パートナーと提携することで、リソース不足を補う。
  • 内部体制の最適化とシステム整備:
    • ① CRMシステムの導入により、顧客管理の効率化とアプローチ履歴の見える化を進める。
    • ② 定期的な進捗確認(毎月・四半期ごとのKPI管理)やレビュー体制の整備。

たとえば、初めの3ヶ月で『現状分析』および『営業メッセージ再構築』を完了し、次の3ヶ月でターゲット企業への試行的アプローチを開始。半年後、得られた実績・データを基に、KPI(新規アプローチ件数、成約率、顧客満足度など)を設定し、目標達成状況に応じて施策の再調整を行う流れです。具体的な数値目標を表にまとめると、以下のようになります。

これらのKPIは、数値で把握するだけでなく、定性的なフィードバックも取り入れることで、営業活動を常に改善していくことが大切です。

具体的な数値目標

項目 目標値(初期段階) 実施内容の例
新規アプローチ件数 月10〜15件 ターゲット企業に対し、電話・メール・訪問でのアプローチ
問い合わせ件数 月3〜5件 営業メッセージの改善後、問い合わせが増加することを目指す
成約率 5〜10%程度 提案内容の質とフォローアップ体制の強化
既存顧客満足度 80%以上の評価 定期フォローと、アンケートによる改善点の把握
相談者

このように具体的な目標値やスケジュールが設定されていると、実際に日々の活動が明確になり、成果が数値として把握できるため、改善もしやすくなりますね。短期・中期・長期の段階で実施すべきことが明確になるので、戦略の再構築が確実に進んでいきそうです。また、CRMシステムの導入など、内部の体制整備も非常に有効だと思います。

中小企業診断士・井村淳也

おっしゃる通りです。たとえ従業員が1名という小規模な体制であっても、効率的に業務を進めるためには、必要な外部リソースの活用と、デジタルツールの導入が大きな助けとなります。たとえば、CRMツール(『Salesforce』や『Zoho CRM』など)を活用することで、顧客情報の一元管理が可能になり、アプローチの履歴を「見える化」することができます。これにより、どの企業にどのタイミングでどのようなフォローが必要かが手軽に把握でき、効率的な営業活動に直結するでしょう。

さらに、オンラインマーケティングの強化として、ホームページのリニューアル、SNSやメールマーケティングを組み合わせた情報発信、そしてウェビナーなど、デジタルを活用した顧客との接点を増やす施策もご検討いただく価値があります。これらは初期投資が必要なものの、長期的な成果につながる非常に実用的な戦略です。

相談者

非常に具体的な例やツールの提案を聞けたことで、どう進めるべきかのイメージがより鮮明になりました。現場での実行にあたっては、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切だと感じています。今は数値でのKPI管理と合わせ、潜在顧客とのタッチポイントの拡充に注力すべきという認識が強まりました。

中小企業診断士・井村淳也

その通りです。どんなに小さな改善や成功でも、継続することで必ず全体の成果として表れます。大切なのは、現状を冷静に分析し、改善のために具体的な行動を積み重ねることです。そして、市場環境は常に変化していますので、柔軟に戦略を見直し、適宜調整できる体制を整えることが、長期的な成功への鍵となります。

また、私自身が経営者として16年間活動してきた中で学んだのは、一度決めた戦略に固執せず、必要な場合には早期に軌道修正することの重要性です。数字や成果指標を定期的にレビューし、現場の声をしっかりとフィードバックとして取り入れることで、次のステップへの改善が図れます。これらのプロセスを通じ、御社は必ずや新たな受注を掴んでいけるはずです。

相談者

井村さんのお話を聞いて、現状の課題が明確になり、具体的な数値目標や実行の段階が見えてきたように感じました。これで初めて、自分自身も前向きに行動計画を立てられるという自信が生まれました。今後も定期的に進捗確認や戦略の見直しを行いながら、実行に移していきたいと思います。

中小企業診断士・井村淳也

そう言っていただけると、私も大変嬉しく思います。ここまでの対話で、【①現状分析・顧客アンケートの実施】、【②ターゲットリストの策定とセグメント化】、【③提案型営業への転換】、そして【④内部体制とCRMシステムの整備】など、様々な角度から具体的なアプローチを議論してきました。これらはすべて、現実的で実行可能な施策ばかりですので、焦らず一歩ずつ取り組んでいただければ、必ず成果に結びつくはずです。

また、加えてオンラインとオフラインの施策を融合させたデジタルトランスフォーメーションの可能性についても、ぜひ視野に入れていただきたいと思います。たとえば、ホームページのSEO対策やSNSでのターゲット広告、さらには専門的なウェビナーによる技術アピールなど、今後の営業戦略の柱として活用いただくとよいでしょう。これらは、今の時代に合わせた変革の一環として、少しずつでも定着させることが肝要です。

相談者

確かに、デジタル施策もさらなる顧客エンゲージメントを高めるために必要だと感じます。オンラインとオフラインの統合的アプローチは、私たちのような小規模事業者でも十分に実現可能な範囲だと思いますので、前向きに取り組んでみたいと思います。これからは、まずは現状分析と営業メッセージの再構築、そしてターゲットリストの整備を優先し、その後にCRMやデジタルマーケティングの強化に順次移行するという段階的な実行計画で進めていこうと考えています。

中小企業診断士・井村淳也

その計画は非常に理にかなっています。まずは地に足のついた基盤を固めることが大切です。市場での実績が少しずつ反映され始めると、必ずや次の段階への道が開けます。私も今後、定期的にご相談いただき、現状の進捗や改善点を一緒に確認させていただく形で、継続的なフォローアップを実施していく所存です。

どうか、自信と前向きな姿勢を持って、一歩一歩着実に進めてください。どんな小さな課題でも、早期に見つけ出し修正することで、結果として大きな成果へと繋がるはずです。もし、次回のミーティングでさらに具体的なツールの運用方法や、ターゲットリストの作成方法、数字管理のさらに具体的なサンプルについてご相談があれば、詳細な事例も交えながら再度お話しさせていただきます。

相談者

はい、本日は本当にありがとうございました。井村さんの具体的で実行可能なアドバイスを聞き、非常に励まされました。これで今後、どの施策をどのタイミングで実行すべきか、明確な道筋が見えてきました。次回はさらに、実際の実行状況や具体的なツール運用の詳細について、相談させていただければと思います。

中小企業診断士・井村淳也

こちらこそ、貴重なお時間をいただき、また熱心にお話に耳を傾けてくださったことに感謝いたします。今後とも、細かな点まで一緒に検証を行いながら、御社の強みを最大限に活かし、持続的な成長へ導いていきたいと思います。常に前向きな展望を持って、一緒に未来を切り拓いていきましょう。どんなに小さな成功も、必ず次の大きな一歩に結びつくと信じていますので、これからも末永くサポートさせていただきます。ありがとうございます。

まとめ

今回の対話で議論した内容

  • 現状の整理と課題の明確化
    • 市場全体における大手企業のシフト、新規受注の減少という状況
    • 既存顧客との関係の強化の必要性
  • 具体的な改善策およびアクションプランの提示
    • 顧客アンケート実施
    • 競合分析
    • 市場トレンドの把握
    • ターゲットリストの策定とセグメント化
    • 提案型営業の強化
  • 実行計画のタイムラインとKPIの設定
    • 短期(3ヶ月以内)
    • 中期(3~6ヶ月)
    • 長期(6ヶ月以降)
  • 内部体制の整備
    • CRMシステムの導入
    • オンラインマーケティングの強化
    • パートナーシップの構築
  • 前向きな未来への伴走支援
    • 定期的な進捗確認
    • 柔軟な戦略修正
    • 成功事例の共有によるモチベーション維持

提案内容の補足

また、デジタルトランスフォーメーションの視点から、オンラインとオフラインの戦略を融合させたアプローチもご提案し、今後の具体的な進行方法を詳しくお伝えいたしました。

私の支援の姿勢

私自身も、16年間の経営経験の中で数多くの困難と向き合いながら、その度に戦略の見直しと柔軟な実行により結果を出してまいりました。御社の現状をしっかりと把握し、適切な施策の実行に向けた道筋を一緒に築いていくことで、必ずや明るい未来へと進むことができると信じています。

今後の方針

改めて、今後とも共に問題点を洗い出し、実現可能な具体策を模索しながら、一歩ずつ前進していくパートナーとして全力で支援いたします。

今回の内容が、今後の戦略策定や実際の営業活動の大きなヒントになれば幸いです。また、次回以降は実施後の進捗状況や具体的なツール活用事例など、さらに掘り下げたお話を進めていきましょう。

最後に

どうぞ、安心して新たな一歩を踏み出してください。何か疑問や不安な点が出てきたときは、遠慮なくご連絡ください。皆様と共に、確かな成果を積み重ね、未来の成功を実現できるよう、これからも全力でサポートいたします。ありがとうございました。

本日の対話は終了となりますが、皆様の実践と改善の過程で生じるさまざまな疑問や課題に対して、私が随時支援してまいります。私たちは明るい未来に向けて、共に歩んでいきましょう。