「売上はあるのに、なぜか資金が残らない」—利益改善コンサル導入で空回りした企業の真実と処方箋。 | ソング中小企業診断士事務所

「売上はあるのに、なぜか資金が残らない」—利益改善コンサル導入で空回りした企業の真実と処方箋。

「売上はあるのに、なぜか資金が残らない」—利益改善コンサル導入で空回りした企業の真実と処方箋。

動画で見る失敗事例の切り口からの記事説明

※この動画は「失敗事例の切り口から」全記事に共通して掲載しています。

「売上は安定しているのに、手元にお金が残らない」—そんな悩みを抱えた中小企業が、利益改善をうたうコンサルに支援を依頼。しかし待っていたのは、実情を無視した数字主導のコストカットと、疲弊する現場。今回は、外部支援の選択を間違えたことで悪化したケースをもとに、どんな伴走支援なら回復につながるのか、現場と数字のあいだを翻訳する支援のあり方を掘り下げます。

今回のケースは、年商1億円超の飲食関連の中小企業が、売上は安定しているにもかかわらず、毎月の資金繰りや利益がうまく残らないという悩みを抱えていた状況です。当初、外部の「利益改善」を謳うコンサルティング会社に依頼し、損益計算書の項目を中心に経費削減を実施。しかし、現場の理解や協力を得られず、結果としてスタッフの負担が増大し、組織内の雰囲気も悪化。数か月で契約が終了してしまった経験が、企業内外の様々な問題点を浮き彫りにしています。

【登場人物】
経営相談の窓口から~微笑む経営者
経営者:経営に真摯に取り組む飲食関連企業のオーナー。売上は順調だが、資金繰りや利益の確保、従業員のモチベーション低下といった課題に直面している。改善策として外部コンサルタントに依頼したが、現場との連携不足が問題となった。
経営お悩み解決:井村淳也
経営コンサルタント:企業の経営改善を支援するコンサルタント、ソング中小企業診断士事務所代表、井村淳也。中小企業診断士としての知識と自身の事業経営経験を活かし、相談者の想いに寄り添った実現可能性を考慮した経営改善提言を重視している。

設定:経営者が、売上はあるもののキャッシュフローが慢性的に悪く資金繰り頭を悩ませ、コンサルタントに相談を持ちかけた場面から始まる。

登場人物と背景の説明

中小企業診断士・井村淳也

今回、相談者の方は飲食関連の企業を経営されていらっしゃいますね。年商は1億円を超えるものの、毎月の資金繰りに苦労し、利益が思ったように残らず苦労されていると伺いました。加えて、従業員の士気や組織の雰囲気にも影響が見られているとのこと。まずは背景として、あなたがどのような状況で、どんな思いで経営に取り組んでこられたかを教えていただけますか?

悩んでいる人

実は、売上自体は順調な方でした。しかし、利益改善を目的として外部のコンサルタントに依頼したところ、提案されたのは主に経費削減策に偏った内容でした。現場での理解や納得が得られず、スタッフの疲弊も感じる中で、結局3か月で契約を終了することになりました。私自身、資金繰りに頭を悩ませながらも、どこかで『これで改善するはず』と期待していたのですが、結果的に現場はさらなる負担となってしまい…

中小企業診断士・井村淳也

なるほど。数字が安定している中で、なぜか現金が残らないという状況は、単に経費を切るだけでは解決できなかった現実がそこに表れているように感じますね。また、従業員の士気や、現場の協力が得られなかったことも大きな要因になっていると考えられます。

相談者の課題と失敗の経緯

中小企業診断士・井村淳也

まず、あなたの会社が抱えていた具体的な課題ですが、以下の点が挙げられますね。

  • 原価率はそれほど高くなく、売上も安定しているが、利益が出にくい
  • 資金繰りが常に不安定な状態で、次の投資に回す余力が作られない
  • 従業員の離職と職場の雰囲気の悪化という、組織内の心理面の問題

これらについて、どのような具体的エピソードや現状があったのか、もう少し伺えますか?

悩んでいる人

経費削減の方針で事業運営を見直すために、毎月『これを切れば利益が改善する』と、損益計算書上の項目に着目して一通り削減策を実施しました。しかし、現場は『こんなに予算が厳しくなると、現場の対応が難しい』と感じ、結果として、社員一人ひとりが多忙な状態に追い込まれ、売上には影響はなかったにせよ、利益どころかキャッシュフローも改善されないどころか悪化してしまいました。

中小企業診断士・井村淳也

そのお話を聞くと、数字だけを重視した短絡的な経費削減が、結果として現場との距離を生むと同時に、資金面の安定性にも影響を及ぼしているといえそうです。数字はあくまで『現実』を映し出す一面であって、『現場の声』や『投資につながる支出』も大切になってくるということが、今回のケースの失敗事例から見受けられます。

対話と議論―問題の本質を探る

中小企業診断士・井村淳也

経費を削減するという方向性自体は、コスト意識を高めるうえで理解できる部分もあると思います。ですが、ここで考えたいのは、『どの経費を削るか』という点です。現場の声を取り入れず、必要な投資をカットしてしまうと、むしろ業務負荷だけが増し、結果として生産性やモチベーションの低下を招く可能性があります。あなたは、どのような基準で削減項目を選択されましたか?

悩んでいる人

当初は、損益計算書上の数字を見ながら、『不必要な経費はこれだ』という判断でした。具体的には、広告費や一部の人件費、さらには設備投資の先送りなどです。ところが、削った結果、現場の設備やサービスの質に悪影響が出るケースがあり、スタッフたち現場の声に耳を傾けてほしかったのには、今さら後悔する部分もあります。

中小企業診断士・井村淳也

現場で働く人たちが、実際にどのような業務で苦労しているのか、どの部分に『現場ならではの必要性』があるのかをしっかりと翻訳しながら、経営者視点と現場視点との橋渡しをすることが大切だと思います。数字と業務の現実との乖離を埋める、『翻訳者』としての役割を担えれば、より持続可能な改善策が見えてきたのではないでしょうか。

転換点―どこから成功への道が始まるか?

中小企業診断士・井村淳也

さて、問題点を整理する中で、転換点となる視点として、『資金繰り』と『利益』両輪で会社を考えることや、現場と経営の橋渡しが必要だという点が明らかになりました。そこで、今後の改善のため、以下のようなアプローチについて考えてみましょう。

  1. 数字と現場の翻訳:

    • 経費の削減だけでなく、『どの経費が真に必要で、どの経費が無駄か』について、現場の意見を反映できる仕組みを作る
    • 会議だけでなく、現場視察や直接対話を通して実際の現場の状況を把握する
  2. キャッシュフローの視点:

    • 単なるP/L改善ではなく、B/Sやキャッシュフローの動きにも注目する
    • 目先の削減ではなく、将来への投資に必要な支出の価値を見極める
  3. 組織の心理的支援:

    • 従業員に対し、なぜその対応が必要なのか、どういう未来への投資になるのかという説明を行う
    • 情報共有と透明性を高め、経営と現場の信頼関係を構築する

これらは一言で「バランスのとれたアプローチ」と言えますが、具体の数字の裏にある現場の声をどう取り入れるかが鍵と感じます。

悩んでいる人

確かに、単に「経費を削ればいい」というアプローチだと、現場の理解や協力は得られず、結果として売上などに悪影響が出てしまう。現場の状況をもう少し正確に把握して、それに合わせた対策が必要だったと痛感しています。現場との対話が足りなかったのは、私たち自身も良く理解しました。

ソング中小企業診断士事務所の支援策―具体的アプローチ

中小企業診断士・井村淳也

もし、現在の状況でソング中小企業診断士事務所にお声掛けいただいたとしたら、以下のような支援策を通じ、失敗した部分をカバーしつつ改善につなげることが考えられます。

  • 現場と数字の『翻訳者』としての対応
    私たちはまず、帳簿上の数字と現場の業務内容を徹底的に洗い出します。数字だけでは見えにくい、実際の業務フローや従業員の感じる負荷を整理し、双方の間にあるギャップを埋めるアドバイスを行います。
    具体例: 先日、同様の飲食店で、導入前に現場での業務プロセスを詳細に記録し、数字の動きとの関係を可視化することにより、無駄な経費削減ではなく、必要な投資が見えてきたケースがありました。
  • 資金繰りと利益の両面でのアドバイス
    P/Lの項目だけにとらわれず、B/Sやキャッシュフローを重点的に分析することで、将来への投資がどこに必要か、どこを「残すべき支出」なのかという視点から、改善策を提案いたします。
    具体例: ある企業では、短期的な削減策に偏らず、余剰資金の見える化と適切な投資先の洗い出しを行い、半年後には余力が生まれた事例もございます。
  • 小規模事業ならではの心理的・文化的支援
    組織内の心理的ハードルを乗り越えるためには、数字の裏にある「なぜその経費は必要なのか」という説明が非常に大切です。
    経営者と従業員が同じ土俵に立つためのワークショップや、対話の場を設定することにより、全員が改善の意義を共有できる仕組みを整えていきます。
  • 経営者とのナラティブ作成
    これまで音楽事業などで「お客様が納得するまで修正・対応」という実績から、粘り強い支援を実践してまいりました。
    経営者の意思と現場の声をつなぐナラティブを構築し、経営改革の過程そのものが、組織全体の成長ストーリーとなるよう支援いたします。
悩んでいる人

なるほど。一方的に削るアプローチでなく、現場の声を的確に経営に反映させることで、数字の改善とともに組織全体の士気向上にもつながるというのは、非常に納得のいく考え方です。そして、キャッシュフローの視点を持つことで、今後の投資にも余力がでるようになるという点も魅力的に感じますね。

成功を実現するための取り組みと期待される効果

中小企業診断士・井村淳也

ここで、もし現在のケースに私たちが関わらせていただいた場合の改善プロセスを段階的に整理してみましょう。

  1. 現状分析ステージ

    • 数字の状況(P/L, B/S, キャッシュフロー)の詳細な分析
    • 現場視察を実施し、実際の業務プロセスやスタッフの声を収集
    • 経営者と現場との現状認識の乖離の程度や、認識の共有を図る
  2. 対話・ワークショップ実施ステージ

    • 経営者と従業員が共通の認識を持てるよう、ワークショップやディスカッションの場を設け、なぜその経費が必要か、または投資すべきかを納得の上で再検討
    • 数字と業務の現実とのギャップについて、双方の視点を取り入れた改善案を模索する
  3. 改善策実行ステージ

    • 既存の削減策を再評価し、本当に必要なコストと、投資すべき支出を整理
    • 中長期的な資金計画を再構築し、キャッシュフロー改善に向けた取り組みを実行
    • 継続的なレビュー体制を構築し、改善が進んでいるかを定期的に確認する
  4. フォローアップと持続的支援ステージ

    • 改善施策の実施後、現場や経営者との対話を通じて、現状の変化を確認
    • 短期・中期の目標を共有し、成功事例の拡大につなげる
中小企業診断士・井村淳也

このような丁寧なプロセスを経ることで、以下のような効果が期待できるかと思います。

  • 資金繰りが安定し、将来の設備投資や新たなマーケティング施策に回せるキャッシュが生まれる
  • 現場の士気向上により、離職率が改善し、たとえばスタッフからの業務効率化の提案が活発になる
  • 経営と現場が一体となり、どんな困難な状況でも柔軟に対応できる企業文化が根付く

これにより、単なるコストカットに留まらず、企業全体の収益拡大と、持続可能な成長への土台が築けると考えています。

悩んでいる人

それは確かに、数字だけにとらわれた初期のアプローチとは大きく違う。現場の声を取り入れることが、本当の意味での経営の健康に直結するという点は、非常に魅力的です。現実に即した改善策を進めるための具体的なステップも分かりやすく、私も前向きに取り組む意欲が湧いてきました。

復帰へのステップと結論

中小企業診断士・井村淳也

今の失敗事例は、むしろ今後の成功への貴重な教訓として活かせると感じます。現状の経費削減策が現場との乖離を生み、業務負荷をかけてしまった部分を、今後は以下のように改善していく方向です。

  • 数字の裏側にある現実をじっくりと把握する
    経理データだけでなく、現場の業務の流れ、従業員のフィードバック、そして将来の投資ポイントを一括して見直していくことで、改善の余地を幅広く探ることができます。
  • 経営者と現場の協働体制づくり
    一方的な経費カットではなく、全員が納得する形での改善施策を計画するため、対話と透明性を重んじる仕組みをつくること。これにより、経営の方向性がブレることなく、持続可能な成長が実現されるでしょう。
  • 中小企業特有の心理的障壁に対する寄り添い方
    経費の見直しを行う際にも、現場にとって『助かる』経費と『害になる』経費とをしっかりと区別し、皆が納得できる説明を丁寧に重ねることが重要です。

このような視点をもとに、もしあなたが現在立ち止まっているという状況であれば、私たちはまず現場と共にじっくりと現在の問題点を整理し、解決策のシナリオを段階的に描いていきます。具体的な良い方向性として、早期に現場との対話の仕組みを整えた上で、財務面の再構築を進めることで、資金繰りの不安定さから脱却し、さらなる成長のための投資余力を作れるのではないかと期待しています。

悩んでいる人

話を聞いていると、私たちが初めに陥った『単一の視点』から脱却するための具体策がはっきりと描かれているように感じます。現場との対話と、キャッシュフローも含めた財務全体の視点を持つことで、現状の失敗を挽回し、未来に向けた強い基盤を築けるのではないかと思います。非常に参考になりました。

中小企業診断士・井村淳也

ありがとうございます。どんなに小さな企業であっても、その成長過程における組織内の連携や信頼関係は、長期的な成功に欠かせない要素だと考えています。私たちは『ソング中小企業診断士事務所』として、決して一方的な削減策に偏るのではなく、経営者と現場、数字と感情の両面から丁寧に支援することに自信を持っています。今日は、この話が今後の改善のヒントになればと願っています。

悩んでいる人

確かに、今の話を聞いてみると、改善の糸口がたくさん見えてきました。現場の声に耳を傾けながら、未来への投資も並行して進められるアプローチは、私たちにとって必要な方向性だと感じます。これを機に、もう一度、現状を見直すステップを踏み出してみようと思います。

さらなる視点と今後の展望

中小企業診断士・井村淳也

最後に、もう少し広い視野で今後の課題・魅力的な展望についてお話しすると、たとえば、業界全体での競争環境や、技術革新、顧客ニーズの変動といった外部の要因も、内部改善との融合でより効果的に乗り越えられるかもしれません。中小企業診断士として、私たちは具体的な数字の検証だけでなく、マーケットのトレンドや将来的なビジョンの共有にも寄与できるよう努めています。現場と経営が一体となった支援策は、今後の難局を乗り越えるための大きな力となるでしょう。

悩んでいる人

なるほど。単に内部の問題解決だけでなく、外部の変化にも柔軟に対応できる企業体制を築くことが、これからの成功の鍵になるのですね。井村さんとのこうした対話を通じて、柔軟な視点を持つ必要性を改めて認識しました。

中小企業診断士・井村淳也

はい。対話を通じて、数字の漠然とした改善策ではなく、具体的な現場の声や未来へのビジョンを統合することが、真に持続可能な改善へとつながると思います。今日の議論で得た洞察が、今後の企業経営における新たな一歩となれば幸いです。これからも、どんな小さな疑問でも一緒に考えていければと心から願っています。

以上が、失敗事例とソング中小企業診断士事務所としての支援策を対話形式で議論した内容です。
この対話からは、問題点の洗い出し、現場と経営の連携、そして数字と感情の両面を重視する視点が改めて整理され、今後の改善に向けた具体的なステップが見えてくるかと思います。

ぜひ、今後の経営改善のための参考としていただければと思います。さらに、他の業界事例や成功への転換事例についても、具体的なエピソードを交えてお話しする準備がございますので、次にどのような領域における取り組みをご希望か、またお聞かせいただければと思います。

似たような失敗、あるいは今まさに直面している課題に、思い当たることはありませんか?
失敗を責めず、まず受け止め、構造を読み解く。
私の支援は、いつもここから始まります。

数字や理論の前に、現場の声を丁寧に聴き、意思決定の背景や組織の空気感を捉えながら、
「なぜこうなったのか」「今できる最適解は何か」を一緒に探っていきます。

失敗は誰にでも起きます。
重要なのは、そこからどう立て直すか。
私は、そのプロセスに寄り添う支援にこだわっています。


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