
先日、自動販売機で飲み物を買ったときのことです。いつものようにお金を入れ、ボタンを押し、取り出し口から飲み物を手に取りました。そして、そのまま歩き出そうとした瞬間でした。何となく違和感を覚えて振り返ると、お釣りの取り出し口に硬貨が残っていました。危うくそのまま立ち去るところでした。
飲み物は手に入っています。本来の目的は達成しています。それなのに、なぜお釣りを忘れそうになったのだろう。そんなことを考えながら歩いているうちに、仕事にも似たところがあるように思えてきました。
人は「目的を達成した」と思うと気が緩む
飲み物を買う。その目的は達成されました。だからこそ、私の意識は次のことへ向かっていたのでしょう。人は何かを達成した瞬間、自然と気持ちが次へ移ります。
契約が決まった、提案が通った、イベントが終わった、納品が完了した。そこまで来ると、「終わった」という感覚が生まれます。しかし実際には、その後に残っている大切なことがある場合も少なくありません。
本当に終わるのは最後の確認の後
仕事の現場では、「やったつもり」と「終わった」は違うことがあります。
- 資料を提出したが、添付ファイルが違っていた。
- 商品を発送したが、お客様への連絡が漏れていた。
- 契約をいただいたが、その後のフォローが十分ではなかった。
大きな部分はできているのです。だからこそ、見落としやすい。自動販売機のお釣りも同じでした。飲み物を手にしたことで、私の中ではすでに終わったことになっていたのです。
小さな取り忘れが大きな差になる
もちろん、お釣りを忘れたとしても数十円かもしれません。大きな損失ではありません。しかし、こうしたことは積み重なります。
最後の確認をする人と、しない人。一歩振り返る人と、そのまま進む人。その違いは、一回ごとでは小さくても、長い時間の中では少しずつ差になって現れます。
経営でも、売上を上げることだけでなく、顧客との関係を続けること、感謝を伝えること、次の提案につなげること。そうした「その後」が積み重なっていきます。
終わったと思ったところに大事なものが残っている
私たちは前へ進むことが好きです。次の仕事、次の予定、次の目標。それは決して悪いことではありません。ただ、ときには振り返ることも必要です。
本当に取り忘れたものはないだろうか。確認すべきことは残っていないだろうか。感謝を伝え忘れていないだろうか。終わったと思った場所にこそ、大事なものが残っていることがあります。あの日の自動販売機のお釣りのように。
最後の問い
あなたは最近、「終わった」と思ったあとに、何か取り忘れているものはないでしょうか。

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