第40回|改札でICカードが反応しなかった朝─「焦るほど、見えなくなる」【日常発見の窓口から】 | ソング中小企業診断士事務所

第40回|改札でICカードが反応しなかった朝─「焦るほど、見えなくなる」【日常発見の窓口から】

第40回|改札でICカードが反応しなかった朝─「焦るほど、見えなくなる」【日常発見の窓口から】

動画で見る診断ノートの記事説明

※この動画は「診断ノート」全記事に共通して掲載しています。

中小企業診断士としての日常のひとコマから、経営者としての“感情”や“判断”に潜むクセを見つめるこのシリーズ。
今回は、駅の改札でICカードが反応しなかった朝から、「焦り」と判断の関係について考えてみます。

4つの体系で読む、井村の経営思想と実践
記事・ツール・コラム・思想─すべては一つの設計思想から生まれています。
現場・構造・感性・仕組み。4つの視点で「経営を届ける」全体像を体系化しました。

実践・口

経営相談の窓口から
失敗事例の切り口から
会計数値の糸口から

現場の声を起点に、課題の本質を捉える入口。
今日から動ける“実務の手がかり”を届けます。

時事・構造

診断ノート
経営プログレッション
 

経営を形づくる構造と背景を読み解きます。
次の一手につながる視点を育てる連載です。

思想・感性

日常発見の窓口から
迎える経営論
響く経営論

見えない価値や関係性の温度に光を当てます。
感性と論理が交差する“気づきの場”です。

実装・仕組み

わかるシート
つなぐシート
みえるシート

現場で“動く形”に落とし込むための仕組み群。
理解・共有・対話を支える3つの現場シートです。

急いでいる日に限って、止まる

少し急いでいる朝でした。

時間を確認しながら駅へ向かい、
いつものように改札へICカードをかざす。
それだけで通れるはずでした。

ところが、その日に限って反応しません。

「ピンポーン」

あの少し大きめの音が鳴った瞬間、
一気に周囲の視線が気になり始めます。

後ろには人が並び、
横のレーンはスムーズに流れている。
急いでカードを探し直し、
もう一度タッチしてみる。

でも、焦っているときほど、
なぜか動きは雑になります。

焦りは、視野を狭くする

結局、原因は単純でした。

カードの向きがずれていただけ。
ほんの少し整えれば済む話だったのです。

でも、その数秒の間、
頭の中は必要以上に慌ただしくなっていました。

「早くしなければ」
「後ろが詰まっている」
「迷惑をかけているかもしれない」

そんな思考が一気に押し寄せると、
目の前の小さな原因が見えなくなる。

経営でも、
似たような場面があります。

売上の変化、
急なトラブル、
予定外の出来事。

本当は小さな修正で済むことでも、
焦りが入ると、
問題を必要以上に大きく捉えてしまう。

止まることが、最短になることもある

改札の前で一度深呼吸して、
カードを持ち直した瞬間、
あっさり通ることができました。

急いでいるのに、
一度止まった方が早かった。

この感覚は、
仕事でもよくある気がします。

焦って連絡する。
急いで判断する。
慌てて修正する。

そういうときほど、
小さな確認を飛ばしてしまい、
結果として遠回りになる。

だからこそ、
プレッシャーがかかった場面ほど、
「一度止まる」が大事なのだと思います。

余裕は、能力とは少し違う

改札を抜けたあと、
少し恥ずかしさもありましたが、
同時に、妙に納得する感覚もありました。

余裕がある人というのは、
特別に能力が高い人ではなく、
焦った瞬間に“整え直せる人”なのかもしれません。

止まって、確認して、戻す。

その数秒があるだけで、
判断の質は大きく変わります。

改札でICカードが反応しなかった朝は、
そんな当たり前のことを、
少しだけ思い出させてくれました。

最後の問いかけ

あなたは最近、
焦ったまま進もうとしていませんか?

コメント