
動画で見る日常発見の窓口からの記事説明
※この動画は「日常発見の窓口から」全記事に共通して掲載しています。
中小企業診断士としての日常のひとコマから、経営者としての“感情”や“判断”に潜むクセを考えるこのシリーズ。
今回は、「歩けるけれど、タクシーを呼んでもいい距離」という曖昧な場面から、“自分の状態を知ること”について考えてみます。
歩いてもいいし、乗ってもいい距離
外出先で用事を終えた帰り道。
駅までは、歩いて15分ほど。
天気も悪くない。時間にも余裕がある。
でも、なんとなく疲れている気もする。
タクシーを呼んでしまえば、すぐに駅に着く。
「歩いてもいいし、乗ってもいい」
その中間の距離に立ったとき、いつも少し考え込んでしまいます。
歩くことを選んだ日もあれば、呼んでしまった日もある。
決めては、理屈ではなく、そのときの体の声でした。
数値では測れない「状態」がある
経営の現場でも、同じことが起きているように思います。
たとえば、
- 新しい施策を始めるか
- 一旦立ち止まるか
- 外注するか内製するか
合理的な判断基準はたくさんあるのですが、
最後に決め手になるのは、数字ではなく「いまの自分(または組織)の状態」です。
体力があるときは、攻められる。
余裕がないときは、無理に進まない方がいい。
判断は情報ではなく、体感の中に宿ることがある。
タクシーを呼ぶかどうか、あのわずかな迷いの中に、
自分の“いま”がにじみ出ているのだと思います。
自分の声を聞き取るということ
大事なのは、どちらを選ぶかではなく、
なぜ、それを選んだのかを自分でわかっていることだと感じます。
「今日は歩きたい気分だったから歩いた」
「今日は心と体を少し労わりたかったから乗った」
その理由が自分の内側からしっかり言えるとき、
判断は、他人の目ではなく、自分の感覚で立っています。
経営もまた、“自分の声”が聞こえる人は、迷いながらも進める人です。
判断とは、知識だけでなく、
自分を扱ううまさでもあるのだと思います。
最後の問いかけ
あなたは今日、どんな基準で「進む」や「休む」を選びますか?
その基準は、あなた自身の声でしょうか。

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