第6回|「なんかいいよね」と言われたカフェ →「選ばれる理由は、言語化できない」【日常発見の窓口から】 | ソング中小企業診断士事務所

第6回|「なんかいいよね」と言われたカフェ →「選ばれる理由は、言語化できない」【日常発見の窓口から】

第6回|「なんかいいよね」と言われたカフェ →「選ばれる理由は、言語化できない」(日常発見の窓口から)

動画で見る日常発見の窓口からの記事説明

※この動画は「日常発見の窓口から」全記事に共通して掲載しています。

「この人、なんかいいよね」

言葉にできないけど確かに伝わる“魅力”があります。今回は、街のカフェで感じたその違和感から、「選ばれる理由」とは何か?について考えます。人もサービスも、最後は“なんかいい”が鍵になること、ありませんか?

4つの体系で読む、井村の経営思想と実践
記事・ツール・コラム・思想─すべては一つの設計思想から生まれています。
現場・構造・感性・仕組み。4つの視点で「経営を届ける」全体像を体系化しました。

実践・口

経営相談の窓口から
失敗事例の切り口から
会計数値の糸口から

現場の声を起点に、課題の本質を捉える入口。
今日から動ける“実務の手がかり”を届けます。

時事・構造

診断ノート
経営プログレッション
 

経営を形づくる構造と背景を読み解きます。
次の一手につながる視点を育てる連載です。

思想・感性

日常発見の窓口から
迎える経営論
響く経営論

見えない価値や関係性の温度に光を当てます。
感性と論理が交差する“気づきの場”です。

実装・仕組み

わかるシート
つなぐシート
みえるシート

現場で“動く形”に落とし込むための仕組み群。
理解・共有・対話を支える3つの現場シートです。

「なんかいいよね」で選ばれていたカフェ

先日、いつも行くカフェとは違うお店に入ってみたんです。
外観はちょっと古びていて、看板も小さく、パッと見は目立たない。
でも、なんだか妙に居心地がよくて、気づけば1時間以上も滞在していました。

内装もすごく凝っているわけではない。
BGMも静かめのジャズで、ごく普通。
それなのに「なんかいいよね」と感じてしまう。
そして、また来ようと思わせる。

この「なんかいい」は、マーケティングでいちばん厄介で、いちばん大事な部分かもしれません。

「選ばれる理由」が言語化できないとき

私は普段、企業や個人事業主の支援をするとき、「なぜあなたのサービスが選ばれているのか?」という問いを投げかけます。

すると、こんな答えが返ってくることがあります。

「たぶん丁寧だから」

「一度頼んだら、次も頼んでくれるから」

「うちの雰囲気が好きって言われたことがあります」

つまり、「なんとなく」「肌感覚」で選ばれている状態。
言い換えれば、言語化しきれていない価値で、ファンがついている状態です。

これは一見、不安定なようでいて、実はとても強い。
なぜなら、“理屈ではない納得”による支持は、ちょっとやそっとの競合には揺らがないからです。

ブランドの本質は「説明できない納得」

アップルがそうです。
誰もがスペックでなく「かっこよさ」「空気感」で惹かれる。
スタバもそうですね。
コーヒーの味だけでなく、「そこにいる自分」が好きで通ってしまう。

私自身も、音楽制作の現場では「言語化できない感情」を何度も扱ってきました。
「この曲、なんか好き」「鳥肌が立った」「泣きそうになった」
すべて、説明できないけれど心を動かされた証拠です。

それは、ビジネスにおいても全く同じだと、今は確信をもって言えます。

言語化できない強みを、あえて言葉にする

「なんかいいよね」と言われる強みを、私は大切にしたいと思っています。
でも、それを放置していては再現性が生まれません。
だからこそ、言語化する努力を惜しまないこと。
その繰り返しが、ブレないブランドを形づくるのだと思います。

カフェを出るとき、「なんであの店、あんなに落ち着くんだろう」と考えながら、またふらっと寄りたくなる自分がいました。
選ばれる理由は、いつも理屈では語れない。
けれど、それが確かに存在するのだと、今日もまた思い出しました。

コメント