動画で見る日常発見の窓口からの記事説明
※この動画は「日常発見の窓口から」全記事に共通して掲載しています。
「この人、なんかいいよね」
言葉にできないけど確かに伝わる“魅力”があります。今回は、街のカフェで感じたその違和感から、「選ばれる理由」とは何か?について考えます。人もサービスも、最後は“なんかいい”が鍵になること、ありませんか?
「なんかいいよね」で選ばれていたカフェ
先日、いつも行くカフェとは違うお店に入ってみたんです。
外観はちょっと古びていて、看板も小さく、パッと見は目立たない。
でも、なんだか妙に居心地がよくて、気づけば1時間以上も滞在していました。
内装もすごく凝っているわけではない。
BGMも静かめのジャズで、ごく普通。
それなのに「なんかいいよね」と感じてしまう。
そして、また来ようと思わせる。
この「なんかいい」は、マーケティングでいちばん厄介で、いちばん大事な部分かもしれません。
「選ばれる理由」が言語化できないとき
私は普段、企業や個人事業主の支援をするとき、「なぜあなたのサービスが選ばれているのか?」という問いを投げかけます。
すると、こんな答えが返ってくることがあります。
「たぶん丁寧だから」
「一度頼んだら、次も頼んでくれるから」
「うちの雰囲気が好きって言われたことがあります」
つまり、「なんとなく」「肌感覚」で選ばれている状態。
言い換えれば、言語化しきれていない価値で、ファンがついている状態です。
これは一見、不安定なようでいて、実はとても強い。
なぜなら、“理屈ではない納得”による支持は、ちょっとやそっとの競合には揺らがないからです。
ブランドの本質は「説明できない納得」
アップルがそうです。
誰もがスペックでなく「かっこよさ」「空気感」で惹かれる。
スタバもそうですね。
コーヒーの味だけでなく、「そこにいる自分」が好きで通ってしまう。
私自身も、音楽制作の現場では「言語化できない感情」を何度も扱ってきました。
「この曲、なんか好き」「鳥肌が立った」「泣きそうになった」
すべて、説明できないけれど心を動かされた証拠です。
それは、ビジネスにおいても全く同じだと、今は確信をもって言えます。
言語化できない強みを、あえて言葉にする
「なんかいいよね」と言われる強みを、私は大切にしたいと思っています。
でも、それを放置していては再現性が生まれません。
だからこそ、言語化する努力を惜しまないこと。
その繰り返しが、ブレないブランドを形づくるのだと思います。
カフェを出るとき、「なんであの店、あんなに落ち着くんだろう」と考えながら、またふらっと寄りたくなる自分がいました。
選ばれる理由は、いつも理屈では語れない。
けれど、それが確かに存在するのだと、今日もまた思い出しました。
コメント