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フィットネスクラブ大手のルネサンスが発表した2026年3月期の連結決算は、最終損益が21億円の赤字となりました。
前の期は黒字であり、従来も黒字を見込んでいたため、一見すると大きな悪化に見えます。
しかし、内容を見ると少し違います。
売上高は前の期から増加し、営業利益も15億円の黒字を確保しています。
主力のスポーツクラブ事業では会員数が増え、価格改定によって会員単価も上昇しました。
つまり、本業が完全に崩れて赤字になったわけではありません。
今回、最終赤字となった大きな要因は、施設退店に伴う特別損失30億円です。
ここで重要なのは、「営業黒字」と「最終赤字」は意味が違うということです。
本業で稼げているのか。
一時的な損失が発生しているのか。
将来のために構造を整理しているのか。
同じ赤字でも、その中身によって経営上の意味は大きく変わります。
このニュースは、単なる赤字決算の話ではありません。
利益には種類があり、数字は中身を見なければ判断できないという、会計と経営の基本を考える材料です。
この記事を読むことで得られること
- 「営業黒字」と「最終赤字」の違いを整理できます
- 特別損失が発生した赤字を、単なる悪化ではなく構造改革の視点で捉えられます
- 自社の数字を「黒字か赤字か」だけでなく、中身から見る視点が得られます
まず結論:赤字は一律に悪いものではなく、本業の状態・一時損失・将来への構造整理を分けて見ることで、経営判断の意味が見えてきます。
ルネサンス決算で何が起きたのか(事実整理)
ルネサンスが発表した2026年3月期の連結決算では、最終損益が21億円の赤字となりました。
前の期は7億6600万円の黒字だったため、最終利益だけを見ると、黒字から赤字へ転落した形です。
一方で、本業の状況を見ると、まったく違う側面もあります。
売上高は前の期から2%増加し、649億円となりました。
営業利益も前の期からは減少したものの、15億円の黒字を確保しています。
主力のスポーツクラブ事業では、会員数が増加しました。
また、価格改定によって会員単価も上昇しています。
つまり、売上面では一定の改善が見られ、本業が赤字化しているわけではありません。
では、なぜ最終赤字になったのでしょうか。
大きな要因は、施設退店に伴う特別損失30億円です。
店舗や施設の退店には、原状回復費用、契約関連費用、設備の処分損など、一時的な損失が発生する場合があります。
今回の決算では、この特別損失が最終損益を大きく押し下げました。
👉 ここで押さえておきたいのは、
本業の利益と最終利益は別物だということです。
営業利益は本業で稼げているかを見る指標です。
一方、最終利益は特別損失なども含めた最終的な結果です。
今回のルネサンス決算は、
営業黒字でありながら、特別損失によって最終赤字となったケースとして整理できます。
営業黒字なのになぜ最終赤字になるのか
今回の決算を理解するうえで重要なのは、利益には段階があるという点です。
会社の決算では、単に「黒字か赤字か」だけを見るのではなく、どの段階の利益なのかを分けて見る必要があります。
- 売上高
- 営業利益
- 経常利益
- 最終利益
まず売上高は、商品やサービスを提供して得た収入の総額です。
ただし、売上が増えていても、そこから原価や人件費、家賃などを差し引く必要があります。
営業利益は、本業でどれだけ稼げているかを見る指標です。
フィットネスクラブであれば、会費収入や施設運営など、本来の事業活動からどれだけ利益が出ているかを示します。
一方、最終利益は、本業以外の損益や特別損失、税金なども含めた最終的な結果です。
つまり、営業利益が黒字でも、特別損失が大きければ、最終利益は赤字になることがあります。
今回のルネサンスの場合、本業では営業利益15億円の黒字を確保しています。
しかし、施設退店に伴う特別損失30億円を計上したことで、最終損益は21億円の赤字となりました。
👉 つまり、今回の決算は、
本業は黒字だが、一時的な特別損失によって最終赤字になった
と整理できます。
このように、決算を見るときは「最終赤字」という言葉だけで判断するのではなく、
どの段階で利益が出ていて、どこで損失が発生しているのかを見ることが大切です。
「赤字=悪い」と単純に判断してしまっていないでしょうか。
その赤字の中身を見ないまま、意思決定しているケースも少なくありません。
特別損失とは何か|未来のために発生する赤字
今回の決算で重要になるのが、特別損失という考え方です。
特別損失とは、通常の営業活動では発生しない、一時的・臨時的な損失のことです。
例えば、次のようなものがあります。
- 店舗閉鎖に伴う費用
- 事業撤退に伴う損失
- 設備や資産の処分損
- 人員整理に伴う費用
- 資産価値を見直す減損損失
これらは、日々の営業活動で毎年発生するものではありません。
しかし、経営の構造を見直す場面では、大きな金額として表れることがあります。
ここで大切なのは、特別損失が必ずしも「悪い赤字」とは限らないことです。
もちろん、損失である以上、短期的には利益を押し下げます。
しかし、その背景には、将来の収益改善や固定費削減を目的とした判断がある場合もあります。
今回のルネサンスの場合、特別損失の主な要因は施設退店です。
つまり、今後も維持し続けることが難しい施設を整理し、将来の経営構造を見直すためのコストだと捉えることができます。
👉 これは、単なる赤字ではなく、
構造整理コストです。
短期的には最終赤字になりますが、
その損失が将来の収益性改善につながるのかどうか。
決算を見るうえでは、そこまで踏み込んで考える必要があります。
「赤字=悪い」と判断してしまっていませんか
この記事を読んで、
「自分の会社の数字も、正しく見られていないかもしれない」
と感じた方も多いのではないでしょうか。
問題は、それが単なる“利益の増減”として扱われ、
中身の違いとして整理されないまま意思決定されてしまうことです。
利益の中身について相談してみる
下のフォームは、「メールアドレス」と「お名前」「一言」だけで送れます。
相談内容は、まだまとまっていなくて大丈夫です。たとえば、こんな一文で十分です。
- 「黒字なのに苦しい。この原因を整理したい」
- 「赤字だが、このまま続けていいのか判断に迷っている」
- 「数字は出ているが、どこを見ればいいのかわからない」
利益の中身を整理したい方専用フォーム
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ソング中小企業診断士事務所
井村淳也が直接お話を伺います。
中小企業でも起きる「黒字なのに苦しい」
この構造は、大企業だけのものではありません。
中小企業でも、「本業は回っているのに苦しい」という状況はよく起こります。
例えば、
- 赤字店舗の閉鎖
- 古い設備の廃棄
- システムの入れ替え
- 倉庫からの撤退
- 人員整理や配置転換
こうした場面では、一時的に大きな費用が発生します。
その結果、営業上は黒字でも、最終利益では赤字になることがあります。
👉 つまり、
一時的な赤字です。
しかし、その目的は多くの場合、
将来の改善にあります。
例えば、
- 固定費を軽くする
- 利益の出ない拠点を整理する
- 効率を改善する
- 古い仕組みを入れ替える
といった、構造改善のための判断です。
もちろん、すべての赤字が前向きなものとは限りません。
本業そのものが赤字化しているケースもあります。
しかし重要なのは、
👉 単年の赤字だけで判断しないことです。
その赤字は、
- 本業の悪化なのか
- 一時的な整理コストなのか
- 将来への投資なのか
によって意味が大きく変わります。
だからこそ決算は、
単純に「黒字」「赤字」で見るのではなく、
何が起きている赤字なのかを読み解く必要があります。
診断士視点:利益は「額」より「質」で見る
ここで重要なのは、利益は「黒字か赤字か」という額面だけでは判断できないという点です。
同じ赤字でも、その中身によって意味は大きく異なります。
例えば、
- 本業そのものが赤字化している状態
- 売上減少が止まらない状態
- 固定費を支えられなくなっている状態
こうした赤字は、経営上かなり危険な赤字です。
一方で、
- 本業では利益が出ている
- 将来に向けて構造を整理している
- 一時的な特別損失が発生している
というケースもあります。
👉 これは、
改善型の赤字と見ることができます。
今回のルネサンス決算は、後者に近い構造です。
営業利益では黒字を確保し、
会員数や会員単価も改善しています。
その一方で、施設退店に伴う特別損失を計上したことで、最終赤字となりました。
つまり、本業そのものが崩れているというより、
構造改革による一時的な赤字という側面があります。
もちろん、改善型赤字だから安心というわけではありません。
重要なのは、その整理や投資が本当に将来改善につながるのかどうかです。
しかし少なくとも、
👉 「赤字」という言葉だけで経営状態を判断することはできない
ということは押さえておく必要があります。
診断士として決算を見るときは、
単純な利益額ではなく、
- どこで利益が出ているのか
- どこで損失が発生しているのか
- その損失は何のためなのか
を分けて考えます。
👉 結論として重要なのは、
利益は「額」ではなく、「中身」で見るという視点です。
「黒字化」より重要なこと
経営では、黒字であることはもちろん重要です。
しかし、単年度の黒字だけを最優先にすると、かえって判断を誤ることがあります。
例えば、目先の黒字を守ろうとすると、
- 必要な投資を先送りする
- 赤字拠点から撤退できない
- 古い設備や仕組みを使い続ける
- 根本的な問題を先送りする
といったことが起こりやすくなります。
その結果、短期的には黒字を維持できても、将来の収益性が悪化していく可能性があります。
本来、経営に必要なのは、単に黒字を出すことだけではありません。
- 構造を改善すること
- 将来の利益を生み出すこと
- 持続可能な状態に整えること
こうした視点が欠かせません。
今回のような施設退店に伴う特別損失は、短期的には最終赤字の要因になります。
しかし、それによって固定費が軽くなり、将来の利益改善につながるのであれば、経営上は重要な判断です。
👉 大切なのは、
“軽い構造”へと変えていけるかどうかです。
黒字を守ることだけを目的にすると、重い構造を抱えたままになりやすくなります。
一方で、必要なタイミングで整理し、見直し、投資することで、将来の経営は安定しやすくなります。
つまり、黒字化そのものよりも重要なのは、
黒字を生み続けられる構造をつくることだと言えます。
まとめ|数字は「結果」ではなく「構造」を見る
今回のルネサンス決算は、「最終赤字」という言葉だけでは読み解けない内容を含んでいます。
営業利益では黒字を確保し、
会員数や会員単価も改善していました。
一方で、施設退店に伴う特別損失によって、最終赤字となりました。
つまり、数字だけを見るのではなく、
その中で何が起きているのかを分けて考える必要があります。
重要なのは、
- 本業で利益が出ているのか
- 構造改革を進めているのか
- 一時的な損失なのか
- 将来の改善につながるのか
といった視点です。
同じ赤字でも、
- 危険な赤字
- 改善のための赤字
では意味が大きく異なります。
だからこそ決算は、
単なる「結果」ではなく、
企業の構造を映すものとして見ることが重要です。
最後に問いを置きます。
あなたの会社は、
「利益額」だけを見ていますか?
それとも、
その利益が、
“どう作られているか”
を見ていますか?
あなたは、過去を掃除するための赤字を出す勇気がありますか?
ここまで読んで、
「自社の数字も一度ちゃんと見直したほうがいいかもしれない」
と感じた方へ。
まだ課題がはっきりしていなくても大丈夫です。
まずは、今の状況を整理するところから始めてみてください。

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